「ジェンダー平等」の社会を目指す品川区は3月27日、実現にむけた条例を区議会本会議で可決しました。条例名に「ジェンダー」という言葉を使った条例は都内で初めてだということです。

3月27日に開かれた、品川区議会の本会議で「ジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会を実現するための条例」が全会一致で可決されました。

条例では、すべての人が性別や性的指向に関わらず、性別が原因とした差別と暴力を受けることをなくすことなどの基本理念を掲げています。

森澤区長:「ジェンダーギャップであるとかあるいは性の多様性がしっかりと尊重される社会を、品川区からつくってまいりたいと思っております」

この条例には罰則規定が設けられていませんが、区は今後区民などにジェンダー平等への啓発を進め理解を広げていく考えです。

品川区民(20代):「いま多様化も進んでいる中で、色んな人たちが住みやすいまちになってくれればそれはいいことと思う」品川区民(40代):「身近なようで身近じゃない感じがあるので。区でもイベントとかでもいいし目に付くようなポスターでもいいので、何か目に触れる機会があると嬉しいと思う」

この条例は4月から施行されます。

全会一致で可決した、来月1日から施行される都内で初めて「ジェンダー」という言葉を名前に盛り込んだ条例。改めてどういったものなのでしょうか?

条例は「すべての人が性別や性的指向、ジェンダーアイデンティティにかかわらず、性別等に起因した差別や暴力を受けることなく自分らしく生きることのできる社会の実現」を目指すとして制定されました。

品川区では去年6月に条例検討委員会を立ち上げ、LGBT当事者が感じてきた「社会の生き辛さ」などの意見を反映したということです。

森澤区長は今回の条例可決は「はじめのスタート」だとした上で、罰則規定は設けていないことについて「区民に理念を理解してもらってジェンダー平等社会を品川区から築き上げていくことが重要だ」と説明しています。

では具体的にジェンダー平等社会を実現するためにどう活動していくのか。例えば、品川区では現在23.5%の女性管理職の割合をまずは30%まで引き上げるほか、職員や外部委員のメンバーなどを男女どちらか40%に。そして区の施設でこれまで「男女共同参画」としていた各名称を「ジェンダー平等推進」という名前に変更します。

また教育機関においては、子ども向けの啓発を促すリーフレットを配り、企業においては、講演会などを開くほか各企業にジェンダー平等についての意識調査をしてもらうよう呼びかけていくということです。