原材料価格の高騰に加え進む円安の影響で、今月も食品の値上げラッシュです。続く値上げに買い物客から悲痛な声が上がる一方、青果店は連休明けに野菜の値段が下がることを見込んでいます。

帝国データバンクによりますと5月、417品目の食品が値上げとなります。約6割が酒類と飲料で、去年の5月に比べ値上げの数は半減したものの、改定幅が大きい商品が目立ち、オリーブオイルなど上昇幅が80%に達する商品もあるということです。

また、全体の平均値上げ率が31%となり、一昨年4月の調査開始以来初めて30%を超えました。原材料価格の高騰に加え、円安が進み輸入コストが上がったことや、賃上げで人件費が上昇したことが要因だということです。

買い物客も、続く食料品の高騰に音を上げていました。

買い物客:「円安で石油が高い、電気も高いだったら下げようがないよね。昔のように食べたい好き放題買うというのはないよね。なるべく厳選して買うよ」「少しでも安いお店探すとか、あちこち、野菜はココお肉はココみたいな感じで、今日もハシゴしています」

大田区の青果店では、客の財布の紐を緩めるべく大幅な値引きを実施していました。通常1把150円で売っているほうれん草が、きょうは2把で100円。続く食品の値上げに加え雨の日は客足が遠のくこともあり、赤字の目玉商品を販売しています。仕入れ価格が上がれば商品に転嫁せざるを得ないものの、少しでも安く販売できるよう青果店ならではの強みを活かしたいと話します。

新鮮市場 レ・アルかきぬま 柿沼優助さん:「暑くなってくると少し葉先が赤くなっちゃたり、そういう野菜が多くなってくる。そうすると見た目が悪いので、スーパーじゃ売れないという商品が出てくるので、そういう商品は狙い目ですね。味自体は変わらないので」

この青果店によりますと、連休明けからは、キャベツや小松菜といった葉物野菜や、きゅうりやトマトなどの夏野菜の価格が、徐々に下がっていく見込みで、季節に応じた狙い目の商品を選択してほしいということです。

帝国データバンクによりますと、1ドル150円台後半の円安水準が長期化したり、円安が一段と進行した場合、今年の秋にもさらなる食品の値上げラッシュが想定されるということです。今後も食料品値上げの波を乗り越えなければならない日々は続きそうです。