広報まるもり(宮城県丸森町)

令和3年6月号

■口腔ケアについて
太田歯科医院 菅野 真人

“口腔ケア”とは、その名の通り口腔(口の中の事)をケア(手入れをする意味)する事です。口腔の衛生管理(歯垢(しこう)の中には1mg中数億の細菌が存在します。歯みがき等で歯垢等を除去し細菌数を減らす)と機能管理(口の機能を維持するための運動など)により、口腔の健康を維持する事で、呼吸や食事、会話を快適に行うことが出来ます。結果として、心も体も健康に保つ事を目的としております。必要となる場面の例を挙げます。

○虫歯予防、歯周病予防
丁寧な歯ブラシで歯垢を除去、つまり虫歯や歯周病の原因菌が減少すれば、発症や進行を予防することが出来ます。

○口腔乾燥の予防
口腔が乾燥すると、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。口臭の原因になったり、粘膜自体が弱くなる事もあります。潤った状態を維持するため、口を閉じ鼻呼吸をする事、唾液腺マッサージ、保湿剤(ジェルやスプレー)等の使用も有効です。

○肺炎予防
口腔が汚い(細菌が繁殖した状態)と、肺炎のリスクが高まります。在宅等で介護を受けている方も注意が必要です。飲み込みに支障が出ている方は、お口のトレーニングも必要になる事があります。

○全身的な病気にかかわる口腔ケア
心臓弁膜症や人工関節の患者さんでは、口が汚いと口腔細菌が全身をめぐり、弁や人工関節にトラブルを引き起こす場合があります。がん治療中では、虫歯や歯周病が悪化したり、口のトラブルが起こる場合もあります。

○災害時避難所での口腔ケア
避難生活の疲れ等から免疫力が低下した状態で口の中が汚くなると、肺炎のリスクが高まると言われています。

○死に水
最後におまけを一つ。仏教に限る話ですが、亡くなった方の口を湿らせる儀式があります。“死に水を取る”と言われます。人生最後の口腔ケアの1つの形かもしれません。