広報ひたちおおた(茨城県常陸太田市)

令和3年11月号

■多面的機能支払交付金
農業・農村は、「食」を支えるだけでなく、土地の保全、地下水の確保、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承などさまざまな働きを持っています。このような働きを多面的機能といいます。しかし、農村地域の高齢化、人口減少などにより営農活動や集落活動が低迷し、農業用施設(水路・農道・ため池)や遊休農地の増加など農村環境の保全が難しくなってきています。
基幹産業である農業と豊かな農村風景を後世につないでいくための活動を支援する制度が、「多面的機能支払交付金事業」です。
市では、平成20年度から取り組みが始まり、令和3年度には19組織が取り組んでいます。

▽多面的機能支払交付金は、「農地維持支払交付金」と「資源向上支払交付金」から構成されます。
(1)農地維持支払交付金 多面的機能を支える共同活動の支援
例えば…
・農地・農道・水路等の草刈りや泥上げ、農道の砂利補充
・不在地主と連絡体制の整備、地域住民(農家・担い手)の意見交換 など

(2)資源向上支払交付金 地域資源の質的向上を図る共同活動の支援
例えば…
・水路のひび割れ、農道の法面補修(施設の軽微な補修)
・外来種の駆除やビオトープづくり(農村環境保全活動)
・遊休農地の有効活用(多面的機能の増進を図る活動)など

*多面的機能支払交付金の詳しい内容については、農政課までお問い合わせください。

■多面的機能支払交付金を活用している「藤田環境保全会」のお話を聞きました!
▽藤田環境保全会
構成員:農業者48人、非農業者59人、地域外農業者9人+4団体(藤田町百寿会、子供会、藤和会、藤田町会)
開始年度:平成28年度

藤田町で活動する同会は、本年度で6年目を迎えました。会長を務める萩谷輝夫さんは、「(活動期間は原則5年なので)今年から2期目に入りました。島町の農地・水保全管理組合など、周辺で先にこの交付金を活用して良かったという話を聞いて、私たち藤田町でも始めたんです。これまで30~40年間ほとんど何もしてこなかった農道や用・排水路がキレイになって皆喜んでいますよ」と話します。水路や農道などは、近接する農地の所有者・耕作者が管理をするのが通例ですが年々担い手が減少し、手が回らないのが現状。しかし、この交付金を活用することで農道や水路の草刈りや軽微な補修を共同で作業できるようになりました。また、同交付金で活動する団体は農業者でなくとも参加可能であることも大きな利点。「藤田は設立当初から地域の皆さんがとても協力的で、農業に関わらない人もたくさん力を貸してくれるんです。7月に行った草刈りには、40人を超える参加者が集まってくれました。多くの人が手を貸してくれるのは、いつも地域のために自ら率先して行動してくれる会長の人徳も大きいですね」と、そんな会長を支える書記の萩谷薫さん。さらに同会独自の取り組みとして、耕作放棄地を有効活用する目的でヒマワリやコスモスなどの花を植えたり、蕎麦やサツマイモも育てているといいます。「イモ掘り体験は秋の恒例行事になりました。子供会にも参加してもらって焼き芋を食べてもらうんですが、子どもたちも毎年楽しみにしてくれているんです。蕎麦も同じように収穫後は蕎麦打ち体験と試食の催しを企画しています。会のメンバーもイベントを盛り上げようと積極的に動いてくれるようになって、世代間交流の場が広がりました」と微笑む萩谷会長。地域コミュニティの強化にも寄与しています。
今は、農地だけにとどまらず「地域全体の魅力を高めるためにどうしたらいいか?」と考えている藤田環境保全会。「皆が日々行き来して目に入る道路沿いをキレイにして、お花を植えて景観を整えたり…できるところから取り組みたいです」といいます。最後に、「まずは組織を立ち上げるところにハードルがある。一人ではできませんから。でも農業の担い手に限らず地域で暮らす皆さんに参加してもらって、地域に目を向けてもらい、自分ごととして考えてもらうきっかけを作れればどんどん気持ちが変わってくると思うんです。我々も年々メンバーが高齢化していっているので、働き世代の若い人の参加を増やすためにこんな活動をしているんだって周知していかなければいけないのが課題。初めてやることばかりで大変そうに思えるかもしれませんが、諦めずに皆で協力すればできるものです。市もサポートしてくれますから」とお二人はまとめてくれました。

問合せ:農政課
【電話】内線611
【電話】内線614