広報あげお(埼玉県上尾市)

令和3年6月号

■定年後からの駄菓子屋経営
~健康的で充実した第2の人生~

「駄菓子屋をやるのは『生きがい』です」。そう笑顔で話すのは平成23年4月にオープンした駄菓子屋「島じいの店」の店主、島正さんです。
島さんは、現在70歳。健康的で充実した日々を過ごしています。平成23年3月末まで警視庁に勤める警察官でした。警察官時代は、機動隊を経て犯罪捜査や鑑識などを歴任し、大きな事件の鑑識にも携わってきたそうです。
平成に入り懐かしく親しみのある駄菓子屋は大きく減少しました。警察官からの第2の人生として、駄菓子屋をオープンしたきっかけは、「子どもが好きだから」。警察で培った経験を活かしながら、学校の先生や親以外の目線で、何か子どもたちに伝えることはできないかと考えた結果、駄菓子屋を開くことを決意したと振り返ります。
定年を迎える前から、少しずつ準備を進め、なんと定年を迎えた日の翌日には、駄菓子屋「島じいの店」をオープンさせました。
駄菓子屋での買い物を通じて、初めてお金に触れたり、計算を身に付けたりする子どもも多いそうで、島さんは、買い物をする子どもに対して、自ら考えて買い物ができるように問い掛けます。また、島さんが警察官時代の経験から、いたずらをしてしまった子どもを見つけた時には、ただ一方的に叱るのではなく、子どもの真意を聴くために「じっくり話す」ことを心掛けているそうです。子どもの成長を願って、アドバイスや自分の経験談を話しながら子どもたちと接しています。
駄菓子屋をやっている中で嬉しかったことを尋ねると、昔、買い物に来ていた子どもが大人になり「島じい!元気ー?」と遊びにきてくれることや、「警察官になりたいんだ」といった進路の相談を受けることだそうです。
「駄菓子屋をやるのは『生きがい』です」と語り、その今まで培ってきた経験を存分に活かしながら、子どもたちの成長を見守る島さんは、とても健康的で、充実した表情をしていました。
閑静な住宅街の中にポツンと見付けた駄菓子屋は、大人には懐かしくもあり、子どもには新しくもある。そんな温かい空間がありました。そこには子どもの笑い声と、島じいの優しい笑顔があふれています。

島(しま)正(ただし)さん (瓦葺在住)