しぶや区ニュース(東京都渋谷区)

令和2年(2020年)11月15日号

◆自分たちのエピソードをきっかけに考えてほしい
◇日本のLGBTQの権利のために声を上げることには苦労もあると思います。その情熱の原点には、どのような思いがあるのでしょうか?
ジョシュア:僕にとっては当たり前のことです。全ての人が平等に権利を有しているべきで、みんなと同じ権利を有する1人の人間として認めてほしいと思うのは当然のことです。婚姻は平等に与えられるべき権利です。どんな愛も平等で変わりはないということを、もっと多くの人に理解してもらい、同性婚の課題についても自分と同じことのように捉えてほしいと思っています。また、勇気を持って行動している人を目にすることで、その人の中にも情熱が湧いてくると思います。そう思って、僕はLGBTQの権利のために声を上げています。

レスリー:そんな彼を支えているご家族は、本当に素晴らしい人たちです。私もそんな家族の一員となれたことが本当にうれしいです。

ジョシュア:特に、僕は祖父ととても仲が良かったのですが、祖父自身の考えはさておき、ゲイである僕をそのまま受け止めてくれました。僕の生き方を100%理解してくれたわけではありませんが、僕を愛し続けてくれました。祖父とはいろいろな話をしましたが、亡くなる前、祖父が冗談めかしてほほ笑みながら「おまえの生き方はある国においては違法なんだ。それは覚悟しておくんだよ」と言ったんです。僕がきっとセクシュアル・マイノリティーの平等な権利のために闘うだろうということが分かっていた上で、彼なりのアドバイスだったんだと思います。

◇「100%は理解できないけれど、相手の生き方を尊重する」というのは、多様性社会において大事な考え方ですね。
レスリー:彼の祖父のエピソードは、上の世代の人たちの理解を得るきっかけにもなる、そういう希望を感じられる話だと思います。私自身もこうしてジョシュアやその家族から新しい視点を得ていますが、自分の原点は故郷のシンガポールでの経験です。シンガポールは、小さな国土にさまざまな民族、宗教、言語が共存している国です。それ故にいろいろな差別があります。どこに住み、どんな階級に属し、どんな家族を持ち、何語を話すか……そういった違いで扱われ方が変わります。そういうものを子どものころから見て育ち、違和感を感じてきました。LGBTQの権利に関心を持つ以前から、「社会において全ての人が平等になるにはどうしたら良いのか」ということを考えてきたんです。幸い、私は写真という表現手段を持つことができたので、写真の力でこの状況を変えたいと思って活動しています。

◇最後に、区民の皆さんにメッセージをお願いします。
レスリー:自分の力でどこまで世の中を変えられるか分からないけれど、愛するパートナーの存在により、今とても強くなったと感じています。これからもLGBTQが平等な権利を得るために活動を展開していきますが、こうした私たち自身のストーリーを皆さんと共有することも、とても重要なのではないかと考えています。

ジョシュア:今回のインタビューが1人でも多くの人の共感を得て、LGBTQの権利や婚姻の平等について考えていただくきっかけになることを願っています。

■プロフィール
◇レスリー・キーさん
シンガポール生まれ。フォトグラファーとしてアート、ファッション、広告の撮影、映像監督などを中心に世界各国で活動。東日本大震災チャリティー写真集『LOVE&;HOPE』(2012年)が、第40回APA経済産業大臣賞を受賞。自身が手掛ける写真とアートマガジンのシリーズ『SUPER』では、国内外の企業やファッションデザイナーなどと積極的にコラボレーションを仕掛けている。

◇ジョシュア・オッグさん
アメリカ・オハイオ州生まれ。岡山大学でのインターンシップのため初来日。アメリカの大学を卒業後、東京で英語教師とアート・ファッションモデルの二足のわらじで活躍。

■渋谷区パートナーシップ証明とは?
「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」に基づき、同性同士のカップルをパートナーとして区が証明するもので、11月1日現在、53組に交付しています。手引書一式は、区HPでダウンロードできます(英語版あり)。また、11月1日から渋谷区パートナーシップ証明申請にかかる費用の一部を助成する制度が始まりました。

詳しくは本紙5ページまたは区HPをご覧ください。
レスリー・キーさんとジョシュア・オッグさんへのインタビューは11月17・24日に「渋谷の星」で放送します。


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