広報ひらつか(神奈川県平塚市)
令和5年1月第1金曜日号
新型コロナが流行し始めて3年。私たちの生活は大きく変わりました。いろいろなイベントが中止になる中、感染防止に気を配りながら地域活動を再開している自治会があります。今号では、地域活動再開円滑化交付金を活用した自治会の活動を一部紹介します。
問い合わせ:協働推進課
【電話】0463-21-9618
◆(LaLa(ララ)湘南平塚コモンズ自治会)「新しい自治会」を目指して
11月27日、ららぽーとあおぞら公園に近隣の住民が集まっています。それぞれ持ってきた紙を受付で提出します。「検温をすると待ち時間が増えてしまうので、事前に配った紙に家族の氏名と体温などを書いてきてもらっています」と話すのは、LaLa湘南平塚コモンズ自治会会長の小村由美子さん。
◇楽しみながら学ぶ
コモンズ秋祭りは、同自治会が主催して近隣にある宮松町自治会の協力の下に開きました。地域で顔が見える関係をつくり、防災時などの協力体制の強化につなげたいと小村さんは語ります。
受け付けを終えて進むと、地場産の野菜や海産物などを売るテントや弁当などを販売するキッチンカーが並んでいます。住民はそれぞれ買い物を楽しみます。買ったものを家族で食べたり、公園の広場で遊んだりと、穏やかな時間を過ごします。
午後1時30分から始まったのはビンゴ大会。ビンゴカードを持った人々がジャングルジムの周囲に集まります。平塚産の米「はるみ」やクーポン券などの景品を目当てに、小村さんが読み上げる数字に一喜一憂していました。
その後、2時30分から始まったマリコーンリレーが終わると3時からは防災体験。消火器の使い方を市災害対策課の職員から学んだり、起震車に乗って地震を体験したりしました。住民たちは、楽しみながら防災訓練もできる有意義な時間を過ごしました。
◇できたばかりの会
同自治会は発足して2年目。ららぽーと湘南平塚(天沼10-1)が建設された時にできたパークホームズLaLa湘南平塚とファインコートLaLa湘南平塚の住民で構成されています。「住み始めてからの3年間は、コミュニティーの会という形を取って住民同士の交流をしていました。3年たち、会を無くすのか・継続するのか・自治会を発足するのかを選ぶことになり、自治会に決めました」と小村さん。
コミュニティーの会の頃から防災イベントや夏祭り・ハロウィーン・クリスマスなどをマンション内のスペースを使ってやっていました。今回は感染予防のため、公園で開くことになりました。
◇新しい自治会の形
「自治会を発足するときに、みんなで話したのは自分たちのやり方でやりたいということでした」と小村さん。今までの自治会のあり方にとらわれず、自分たちのルールを決めたといいます。
「まず、自治会費は0円。活動費は助成金の中でやりくりしています。今後、もし足りなくなることがあれば寄付やイベントに参加する人たちで出し合おうと決めています。
次に回覧板の廃止です。必要な情報は各自で市ウェブなどから情報を得てもらうようにお願いしています。ただ、高齢でデジタルが苦手な方もいるので、その方たちには印刷してポストに入れて対応していきます」
自分たちなりの「新しい自治会の形」を目指しますと小村さんはほほ笑みます。
◇つながりを広げる
LaLa湘南平塚コモンズ自治会は、子育てをしている若い世代が多くいます。だからこそ、いろいろな世代が参加しやすいイベントを考えたいと小村さんはいいます。
「クリスマス会などのイベントだと子ども向けと感じて参加に抵抗がある方もいました。そこで、秋祭りは買い物をメインにしました。この形ならどの世代の方も無理なく参加できると思ったんです。イベントをするなら、全員が参加できるようなものにしたいです」。世代を超えて多くの人たちが参加して交流できる機会を作ります。
「自治会活動を通して、お互いの顔が見える関係をつくっていくことが目標です。自治会内はもちろん、近隣の自治会の方たちとのつながりも広げていきたいですね」
◆(めぐみが丘自治会)コロナ禍でもできることを
小松菜・春菊などの路地野菜が軽トラの上に並んでいます。
11月19日・20日に開かれためぐみが丘自治会の野菜販売会です。今年は、野菜を買ってくれた人には自治会から大きな大根のプレゼントもありました。
◇秋祭りが中止に
野菜販売会は今年で3年目。コロナ禍になってから始まったイベントです。きっかけは元々やっていた秋祭りが中止になったことでした。「例年1500人くらい集まる大変にぎやかなお祭りです。豚汁600食・焼き鳥4500本くらいが1日でなくなっていましたね」と振り返るのは、めぐみが丘自治会会長の小林久美(ひさみ)さん。「みんなで焼きそばや焼き鳥を調理しました。外での調理は祭りを楽しむためなのはもちろん、災害があったときの炊き出しの練習も兼ねていたんです」と説明します。新型コロナ感染防止のため、祭りは中止に。代わりにと思い付いたのが、自治会館前の広場でする野菜販売会でした。
「野菜販売なら飲食をしなくてもできるし、少しでも人と関わることができると考えました」。自治会のイベントを全てやめてしまうと、今まで積み上げてきた役員同士の関係やイベントをするノウハウなどが全部なくなってしまうと小林さん。小さくてもやることが大事だと続けます。「それに、人と会話をすることも大切です。いろいろな人が来てくれるので、顔を見て話ができるんです」。
◇祭りの復活を
今年は秋祭りの再開を目指しています。
「野菜販売会を続けていたことで地域の絆はつながっていると感じます。秋祭りを再開するときは、今の役員はもちろん、前の役員たちも協力すると言ってくれています。状況が落ち着いたら、本来の秋祭りを復活させて皆さんをもてなししたいですね」と小林さんは夢を語ります。