広報たかはし(岡山県高梁市)

2021年5月号(199号)

日本遺産に認定された「『ジャパンレッド』発祥の地―弁柄と銅の町・備中吹屋―」のストーリーを構成する文化財を紹介します。

■ベンガラ館 未指定有形文化財(建造物)
吹屋での弁柄生産は、宝永4(1707)年に吉岡銅山(よしおかどうざん)から産出された硫化鉄鉱石(りゅうかてっこうせき)を原料として始められたといわれます。その後、良質な硫化鉄鉱石を産出する本山鉱山(もとやまこうざん)(成羽町坂本)の開坑により、本格的な生産体制が整い、江戸時代中期には銅山とともに貴重な地場産業として定着しました。
吹屋の弁柄は、九谷(くたに)・伊万里焼(いまりやき)の陶磁器や輪島塗(わじまぬり)の赤色顔料、建築・船舶の防腐塗料として重用され、昭和中期頃まで全国市場を独占しました。しかし、化学肥料の製造工程で出る硫酸鉄(りゅうさんてつ)から安価な弁柄が量産されるようになり、伝統的な手法による吹屋の弁柄は価格において太刀打ちできず、廃業に追い込まれました。
この「ベンガラ館」は、昭和49(1974)年まで稼働していた田村商店(成羽町吹屋)の弁柄工場を復元整備したもので、水車を動力源とするかつての弁柄製造工程が概観(がいかん)できる施設です。
問合せ先
高梁市日本遺産推進協議会事務局(日本遺産・歴まち推進室)
電話
0866-21-0257