広報きくち(熊本県菊池市)

令和3年9月号

■教えて!認知症ってどんな病気?
認知症の原因については分かっていないことも多く、症状や接し方についての理解はまだまだ進んでいないのが現状です。認知症とはどのようなものなのか、菊池有働病院の城隆一郎(じょうりゅういちろう)院長に話を聞きました。

▽教えてくれるのは菊池有働病院 城隆一郎(じょうりゅういちろう)院長

Q どういう状態のことを認知症というのですか?
A 記憶や注意力が低下し、生活に支障をきたす状態のことをいいます。

いろいろな原因で脳の細胞が死んだり、働きが悪くなったりして、さまざまな障害が起こり、生活に支障が出ます。その状態が約6カ月以上継続しているものを認知症と呼んでいます。80種類以上ありますが、大きく分けると次の4つに分類されます。
・アルツハイマー型認知症(全体の約5~6割)
・脳血管性認知症(全体の約2割)
・レビー小体型認知症(全体の約2割)
・前頭側頭葉変性症(全体の1割以下)

Q 物忘れとは違うのですか?
A 加齢による物忘れと認知症による物忘れは別物です。

高齢になると脳の機能が衰え、誰にでも物忘れがみられるようになりますが、認知症の場合では次のような症状が見られ、生活に支障が表れます。
・記憶障害体験自体を覚えられない、忘れたという自覚がない
・理解・判断力の障害これまでできていたことができなくなる
・実行機能障害計画や段取りを立てて行動できない
・見当識障害時間や場所、人との関係が分からなくなる

Q 認知症になると何も覚えていないのですか?
A 昔に覚えた記憶や考え方などは残ります。

何も分からなくなるわけではありません。感情が揺れ動いたような出来事や思いが強いものは、覚えていることが多いです。

Q 認知症は高齢者の病気ですか?
A 若い人でも発症する可能性があります。

早い人では30代でも発症する可能性があります。65歳未満で発症した場合を「若年性認知症」といい、場合によっては経済的な困難に陥ることもあるので、職場や地域での理解を進める必要があります。

Q 薬で治療したり、予防したりできますか?
A 特効薬はありませんが、進行を遅らせたり、予防したりすることはできます。

現時点では根本的な治療薬はありませんが、進行を遅らせる薬はあります。
また、規則正しい生活習慣や適度な運動を行うことで認知症の予防や改善に効果があることが分かっています。日頃から健康的な生活を心掛けましょう。

Q 認知症の人にはどう接したらいいですか?
A ありのままを受け入れて接してください。

忘れたという自覚がない、これまでできていたことができなかったりする、といった認知症の症状を理解し、行動や言動を受け入れてください。本人の尊厳を守ることが大切です。相手のペースに合わせ、優しい口調でゆっくりと話すことを心掛けましょう。
責められたりイライラしたりすることもあるかもしれませんが、介護保険サービスを利用したり、家族や周りの人に相談したりしてストレスをためないようにしてほしいです。悩み事がある場合は、近くの病院や市の包括支援センターに相談してみてください。

◆認知症チェックリスト
気になる人は病院に相談しましょう。
□同じことを何度も言ったり、尋ねたりする
□物の名前が出てこなくなった
□約束の時間や場所を間違えるようになった
□時間や日付が曖昧になってきた
□今までできていた作業や仕事がこなせなくなってきた
□テレビや新聞、本などの内容が理解できなくなった
□趣味や好きなことに興味を示さなくなった
□ささいなことでも怒りっぽくなった
□財布や通帳、衣類など盗まれたと人を疑う
□最近聞いた話を、繰り返すことができない

[いきいき100歳体操]
◆通いの場で地域づくり
認知症予防と高齢者の健康づくりなどを目指して「いきいき100歳体操」を各地域・団体で実施しています。体操は3つの運動で構成されていて、手首や足首に重りを付けて行うのが特徴です。
週1回以上続けることで筋力アップにつながり、介護予防にも効果があると実証されています。定期的に顔を合わせ活動することで、住民同士の見守りや助け合いにつながっています。

◆参加団体を募集しています
登録条件:
・5人以上の団体で過半数が65歳以上
・なるべく週1回以上、最低3カ月続けること
・椅子・テレビ・DVDプレイヤーを団体で準備できること
・政治・宗教を伴う活動や営利目的の団体でないこと

高齢支援課 看護師 蓑田由貴(みのだゆき)さん

[インタビュー]
◆高野瀬区の取り組み
〇地域で楽しく活動しています
一昨年の6月から区の老人会で100歳体操をしています。最初はなかなかできませんでしたが、回数を重ねるにつれて、できることが増えてきました。他にも、みんなで輪投げやグラウンドゴルフなどを行っていますよ。
定期的に区民で集まり、話をすることで一人ではなかなか続かない運動も、地域ぐるみで取り組むことで、人と人のつながりを通じて楽しく継続することができます。閉じこもりや認知症予防の効果もあります。
コロナ禍で外出ができないからこそ、地域一丸となって楽しく続けていきたいです。

葉室正信(はむろまさのぶ)さん