長崎市の春の伝統行事、長崎ハタ揚げ大会が14日、同市の唐八景公園であった。色とりどりのハタが春風を受け青空に高く舞い上がる姿を、来場者が楽しんだ。
 長崎新聞社、長崎ハタ揚げ振興会主催。長崎市共催、本田商會協賛、あたご自動車学校、浜屋百貨店、西部ガス長崎、NTT西日本長崎支店協力。
 天候不順のため1週間延期した。この日の最高気温は25・6度と6月上旬並みの暖かさ。一銭バタを高く揚げようと懸命に駆け回る子どもや、シートの上で弁当を広げてくつろぐ人々でにぎわった。
 メインイベントのハタ合戦は、県内各地から16人が参加。風を味方にハタを自在に操り、相手の糸を切ると、来場者から「ヨイヤー」のかけ声が上がった。

◎「合戦」浦川さんが初V 無心で挑む
 ビードロを付けたヨマ(揚げ糸)で相手のハタを切り落とす「ハタ合戦」は、腕自慢の16人が操るハタが大空で競い合った。決勝では長崎市西山3丁目の浦川庄三さん(76)が、同市茂木町の山口億孝さん(63)を破り、初優勝した。
 上空に強い風が吹く中、両者はハタを見事にコントロール。「勝負心が入らないように無心で挑んだ」と浦川さん。ハタをうまく風に乗せ、山口さんの糸を切ると、会場に「ヨイヤー」と勝利を告げる掛け声が響いた。
 趣味でハタ作りをしているという浦川さん。「近年、揚げる機会が少なくなったけど、優勝できてよかった。今月下旬に東京である次の大会への土産話になった」と笑った。