再開発事業などに伴い、いったん閉店するとしていた長崎県佐世保市栄町の老舗百貨店「佐世保玉屋」(田中丸弘子社長)は3日、店内に掲示板を設置し、来店者に営業継続を伝えた。
 玉屋は2月、建物の老朽化による耐震化の必要性などを理由に、7月31日で閉店する旨を取引先に通知。「一度閉店した上で新たな佐世保玉屋へ生まれ変わる」などとしていた。
 玉屋の入り口などに置かれた掲示板では、7月末日で閉店するとの報道があったとした上で「全店閉店という事実はなく、売り場を縮小しつつも、営業は継続していく所存です」と周知している。今後の具体的な方針については明示していない。
 玉屋一帯のエリアでは再開発事業が計画され、権利者9者が検討を行う「栄・湊地区市街地再開発準備組合」を2021年に設立。具体的な計画策定が待たれている。組合の理事長を務める田中丸社長は「現在、計画を進めている。時期がきたら明らかにしたい」としている。
 また、玉屋に対しては佐世保市から、耐震改修促進法に基づく耐震診断の結果報告など、5月末を期限とする命令が出されている。