五島伝統のバラモン凧(だこ)揚げ大会(長崎県五島市、市観光協会主催)が3日、同市の鬼岳園地であり、家族連れなど3千人以上の市民らでにぎわった。
 ゴールデンウイークに開く恒例イベントで、今年は市制施行20周年を記念し開催。バラモンは島の方言で「元気な、活発な」という意味。凧(たこ)には鬼に立ち向かう武士の勇ましい姿が描かれ、五島で男の子の初節句に祖父が贈る風習がある。
 晴天に恵まれたものの風が弱く、凧揚げにはいまひとつのコンディション。参加者はタイミングをつかむのに苦労しながらも、うまく風を受けて「ブーン」という独特の音を響かせながら揚がり出すと歓声。雄大な景色をバックに、子どもからお年寄りまで思い思いに楽しんだ。
 五島バラモン凧揚げ振興会が企画した制作講習会の受講者も、自作の凧をお披露目。約4年前に石川県輪島市から移住した片山美希さん(36)は「頑張れ!能登」と凧に書き入れた。「能登までつながっている空。五島から思いが届いてほしい」と能登半島地震の被災地への願いを込めた。