島原半島特産「島原手延そうめん」の製造工場がなくなっていた長崎県島原市に、麺製造・販売業「山一」(南島原市)の新工場が今月、開所した。島原市内ではかつて複数の製造業者があったが昨秋、後継者不足で最後の1社が廃業していた。島原手延そうめん製造“復活”は約8カ月ぶり。20日、同社の小嶺一春社長(81)らが同市役所を訪れ、古川隆三郎市長に「島原から雇用し、生産量を上げるため増築も考えていきたい」と抱負を語った。
 山一は1972年創業。これまで南島原市内3カ所の工場で年間計約250トン(約250万食分)製造してきた。島原工場は、島原市の仲立ちで同市山寺町の元製麺工場(木造平屋、約420平方メートル)を購入し改装。新規採用7人を含む従業員計13人で、年間113トンを製造する。
 小嶺社長は同工場で製造したそうめんを披露。古川市長は「夏だなぁ。本当においしい」と言いながら冷やしそうめんを試食し「ぜひ、島原の湧水とコラボさせたい」と語った。
 そうめんは南島原市深江町の国道251号沿いの同社直営店「名水庵」のほか、島原道路三会インターチェンジ近くの島原工場でも直売コーナーを設け販売する予定。