長崎県島原市立第一小(松田訓和(のりかず)校長、455人)が昨年の創立150周年を記念して取り組んでいる校庭の「夢の庭園」作りが、完成に向け着々と進んでいる。約50年前に設置された遊具が卒業生らの寄付で本年度更新され、芝生も児童らの手で張り直された。すでに遊具は人気の遊び場になっており、芝生広場も含めた庭園のフルオープンは、養生後の10月となる見通し。
 同校は1873年に「完全小学校 協律一番小学校」として旧島原城三の丸跡に開校。1947年に現在の校名となった。校庭脇には「庭園」と呼ばれる高台(全約500平方メートル)があり、低学年の遊び場として長年親しまれてきた。
 しかし、創立100周年前後に整備された遊具は老朽化し、池は水が枯れて危険だったため、同校と卒業生らでつくる「島一小150周年実行委員会」(片岡央(おう)委員長)が2022年度、在校生を対象に「夢の庭園」絵画コンクールを開いて再生プランを募集。県内外に寄付協力を呼びかけ、遊具更新と池を埋め立てた芝生広場作りを計画した。
 浄財は約700万円集まり、今年5月中旬までに滑り台やシーソーなど6遊具を新設。5月29日には、6年生77人が芝生広場用地(約200平方メートル)で、同実行副委員長で造園業の塩田啓一郎さん(43)の指導を受け、芝生を張った。
 芝生張りに取り組んだ相川瑞希さん(11)は「普段、庭園で遊べるのは1、2年生だけだけど(5月中旬の)遊具完成後1週間は全学年が日替わりで遊べて良い思い出になった。私たちは来年卒業するけど、これからの入学生も含めて楽しく遊んでもらえたら」と話した。