障害者向けグループホームを運営する「恵」の不正問題で26日、愛知県と名古屋市があわせて5か所の施設の「指定取り消し」を発表したほか、岐阜市でも不正が発覚しました。

 愛知県は26日、会見を開きました。

 「グループホームふわふわ幸田については、障害者総合支援法で最も重い行政処分となる『取り消し』としました」(愛知県 大村秀章 知事)

 幸田町の施設は最も重い、指定取り消し処分としました。

 利用者が外泊で不在だったのに支援をしたとして架空の請求をしていたことが特に悪質と判断しました。

 Q.今回の事案が障害者福祉サービス全体に与える影響というところを知事はどう考える
 「過大徴収、ピンハネしたというのは極めて悪質で許しがたい行為だと思います」(大村知事)

 「指定取り消し」は名古屋市でも。河村たかし市長は26日の会見で、緑区や北区などにある市内4カ所の事業所を「指定取り消し」の処分としました。

 これにより県内あわせて5カ所の指定が取り消されることになりました。

 取り消された施設は業務ができなくなります。

 入居者の転居が必要になると想定されるため、処分の効力は最も早い施設で8月31日、遅い施設では12月1日となっています。  

岐阜市でも食材費の過大徴収

岐阜市 柴橋正直 市長

 26日は「恵」による不正が岐阜市でも明らかになりました。

 「食材費の過徴収については、すでに調査をどんどんやってきた。去年6月に食材費の調査要請があり、本市でも調査を開始しました。2つの事業所では食材費の過徴収があった」(岐阜市 柴橋正直 市長)

 柴橋市長は会見で、「恵」の運営する岐阜市内の2つのグループホームで食材費の過大徴収が確認されたと発表しました。

 「恵」に対し水増しした金額を利用者らに返還するよう指導し、6月10日までに返金が完了したということです。

 障害福祉サービス費の不正請求などについても調査中で、今後処分を検討するとしています。

最大で約1800人に影響

東京都内の「恵」本社の入るビル 

 愛知県と名古屋市が、あわせて5か所の施設の「指定取り消し」を発表し、国でも動きがありました。

 「組織ぐるみで食材料費を過大に徴収するとともに、障害福祉サービス等報酬の不正請求を行うなど、到底看過しえない重大な法違反があったために行うと聞いております」(林房長官)

 厚生労働省は26日夕方、「恵」に「連座制」を適用すると発表しました。

 全国12都県の約100施設も今後5年間、指定の更新などを受けられず、最大で約1800人に影響が出るとみられます。

 「恵」はメ〜テレの取材に対し、「真摯に受け止めて、今後の対応を検討していく」
としています。