新型コロナについて、5月から『感染症法上の分類』が“5類”に引き下げられます。感染症の分類は“感染力”や“重篤性”などによって、1類から5類に分かれています。

1類は『危険性が最も高い』とされる感染症です。
〔1類〕エボラ出血熱など
〔2類〕SARS、結核など
〔3類〕コレラ、細菌性赤痢など
〔4類〕狂犬病、マラリアなど
〔5類〕季節性インフルエンザなど
新型コロナはこのうち、現在 “2類相当”とされていて、“入院”や“就業制限”などの措置が取られます。

これが大型連休明けの5月8日から季節性インフルエンザと同等の“5類”に引き下げられることになります。
引き下げによる影響や、マスク着用に変化はあるのでしょうか?

岸田 総理大臣:
「5月8日から、“5類”感染症とする方針を確認致しました」
政府が先週発表した新型コロナウイルスの“5類”への引き下げ。
3年にわたるコロナとの戦いに終わりが見えてきたことになるのでしょうか。

大石長崎県知事:
「今回の引き下げ決定により、社会経済活動がコロナ禍前の状況により近づいていくのではないかと期待しております」
医療関係者からは歓迎の声も


県医師会 森崎 正幸会長
「今の“2類相当”であれば感染者や濃厚接触者は自宅待機期間があり、(医療機関等での)エッセンシャルワーカーが機能しなくなって “病院の通常診療”ができなくなってきていた。
そういうこともあり、我々としては“5類”への引き下げは妥当かなと思う」

新型コロナウイルスについて長崎県内では31日、40代で112人、10歳未満で109人などあわせて727人の感染が発表されました。
また7人の死亡が発表され、今月発表された死者数は月別で過去最多の153人。
うち70代以上が95%を占めています。

県医師会・森崎正幸会長:
「危惧するのは、高齢者の死亡基礎疾患のある人の死亡。
“5類”に引き下げられても、高齢者や基礎疾患がある人、妊婦については“ワクチン接種を無料”にするとか、そういう対策が必要かなと思っている」
また“5類”への引き下げで『マスクの着用』について政府は──
「屋内外を問わず “個人の判断”に委ねる」と、これまでより“緩和する”としていますが…
個人の判断に ── “5類”引き下げで マスクは外しますか?

市民インタビュー:

「個人的には外したい。呼吸が浅くなったり屋内だと辛いことがたまにあるので」

「私自身は賛成ではあるが、ただ各々の責任感が強く問われてくるのかなと思うので、健康管理は一層意識してやるべきかなと」

「あまり外したくない。(Q.なぜですか?) 歳だから」

「外すってなっても外す人が少ないかなって思います」

「マスク着けた状態だから感染予防になっていたのは正直あるから、そこは変えずにいった方が良いかなと思います」
保育現場では歓迎と不安 顔が見えた方がいいのだけれど「まだね…」

お告げの聖母保育園 牧山 マサ子園長:
「子どもたちとの毎日の生活の中では、“マスクなし”が一番表情が見えていいと思います。目でしか表情がわからないから」

こちらの保育園では現在、原則として屋外では園児はマスクを外し、屋内では3歳児以上はマスクを着用しています。

マスク着用が緩和されることを歓迎する一方、触れ合う機会が多い保育現場では不安もあると言います。

お告げの聖母保育園 牧山 マサ子園長:
「有難いことだと思うが、職員の声を聞くと、『まだね…』って。どういう風になるかわからないですけど、まだまだ不安ですね」
今後の経済支援について

コロナ禍では経済への深刻な影響を考慮して、『最大5,000円の宿泊補助』や『クーポンの配布』などの“旅行支援策”で経済を支えてきました。

今後、“5類”に引き下げられることでどうなるのか長崎県に聞いたところ、県の担当者は「国の予算が続くかどうか次第」としています。
“5類”への引き下げで…どういった扱いになるのかまとめると

▼マスク着用
現在は屋内では『推奨』となっているものが『個人の判断』に

▼待機機関
原則『発症から7日間』となっていますが、“5類”の場合にどうなるかは『まだ決まっていません』
ちなみに同じ“5類”のインフルエンザでは、学校の場合は、『原則 発症から5日間の出席停止』となっています。企業なども、これにならうケースが多いそうです。

▼医療費
新型コロナが“5類”になった後も、『期限を区切って公費負担を継続する』としています。

▼ワクチン
『必要な接種については自己負担なく受けられる』ということです。