海外からの帰国者の「はしか」への感染が日本でも相次いでいて、今年に入り少なくとも20人が確認されています。非常に感染力が強いはしか。年代によってはワクチンを接種していない人もいて、医師は「まずは免疫の確認を」と呼び掛けています。

提供:東京都健康安全研究センター

麻疹ウイルスによって引き起こされる「はしか」。コロナ禍が終わり海外をはじめ人の行き来が活発となった今年、日本でも各地で感染が相次いでいてこれまでに20人が確認されています。(※3月21日現在)

県内では2020年以降感染例はありませんが、警戒が必要です。感染力が「極めて高い」からです。

宮沢医院・宮沢政彦院長

宮沢医院・宮沢政彦院長:
「特に“空気感染”があるために、非常に感染力が強いとされています。例えば、新幹線の車両に1人いれば、車両全部の人にうつってしまう。大きな体育館に1人いれば、免疫のない人は100%うつるとされている。それぐらい感染力が強いウイルス」

提供:みやけ内科・循環器科

はしかの症状は主に発熱やせき、発疹や目の充血など。

肺炎や脳炎などを引き起こし、重症化や死亡する例もあります。

資料 

また、妊娠中の女性は特に注意が必要です。

宮沢医院・宮沢政彦院長:
「海外から入ってくるウイルスなので、海外に行った人と接触したとか、海外から帰ってきた人は熱が出たら、はしかを疑わないといけない。妊娠中にかかると、早産・流産が起こりやすいとされている」

ワクチン 

有効な予防法は「ワクチン」だけです。2回の接種で99%以上の予防効果があるとされています。2000年以降は就学前に計2回の定期接種が行われています。

はしかワクチン接種

しかし、2000年より前に生まれた人は1回しか受けていない可能性があります。

さらに、1972年10月より前に生まれた人は1回も接種していない場合も。こうした人は追加接種の検討が必要です。

接種歴は母子手帳で確認することができます。ただ、確認できない場合は自分で免疫があるか調べなければなりません。

ワクチン 

感染の広がりを受け定期接種以外の人が接種を希望するケースが増えていて、現在、ワクチンは不足傾向です。

長野市の宮沢医師は、まずは「抗体検査」で免疫を確認すること。また、持病がある人や妊婦が家族にいる人などが優先的にワクチン接種を受けてほしいと話しています。

資料 

宮沢医院・宮沢政彦院長:
「妊娠を希望する女性や妊婦に持ち込まないように周りの人が打っておく。ご心配の人は抗体検査を受けたり、ワクチン接種をやっておいたほうがいい」

なお、はしかが疑われる症状が出た場合は、医療機関に連絡した上で公共交通機関の利用を避け受診してほしいと呼び掛けています。