東京競馬場で5月26日(日)に行われる日本ダービー(3歳牡牝・GI・芝2400m)。世代の頂点を決める“競馬の祭典”に、シンエンペラー(牡3、栗東・矢作芳人厩舎)が坂井瑠星騎手とのコンビで出走を予定している。

 シンエンペラーは父Siyouni、母Starlet's Sister、母の父Galileoの血統のフランス産馬。半姉に18年のBCフィリー&メアターフなどG1・7勝のSistercharlie、全兄に20年の凱旋門賞馬Sottsassなどがいる。22年のアルカナ・ドーヴィル1歳セールにて210万ユーロ(約3億円)で落札された。

 23年11月、東京競馬場の2歳新馬戦(芝1800m)で初陣を迎え、好位から抜け出して快勝。次走には中2週というローテーションで京都2歳Sを選択。初戦とは一転して後方からの競馬となったが、直線で馬群の中から伸びて差し切り。無傷の2連勝で重賞タイトル獲得を果たすとともに、23年ぶりのフランス産馬によるJRA重賞勝利となった。

 その後はホープフルS、弥生賞、皐月賞と同条件の3戦でそれぞれ2着、2着、5着と惜敗を喫したが、堅実な走りを印象付けた。ここまでの通算成績は5戦2勝。

 今回、新馬勝ちを収めた東京競馬場に舞台を移し、距離が延びることはプラスになるだろう。また、以前は勝負どころでの反応などの課題はあったものの、成長とともに改善しつつあることも注目すべきところだ。

 一方で懸念点もある。01年に外国産馬の出走が可能になって以降、シンボリクリスエスやクロフネなど計14頭の外国産馬が日本ダービーに挑戦。しかしその結果は【0-1-1-12】と未だ勝利にたどり着けていない。

 しかし、同馬を管理するのは、日本人初のBCディスタフ制覇やサウジC制覇など幾多の“史上初”を達成してきた矢作芳人調教師。そんな"世界のYAHAGI"がシンエンペラーとともに、府中で新たな歴史を刻むのか。その瞬間を期待せずにはいられない。