東京競馬場で5月26日(日)に行われる日本ダービー(3歳牡牝・GI・芝2400m)。世代の頂点を決める“競馬の祭典”に、ビザンチンドリーム(牡3、栗東・坂口智康厩舎)が西村淳也騎手とのコンビで出走を予定している。

 ビザンチンドリームは父エピファネイア、母ジャポニカーラ、母の父ジャングルポケットの血統。3代母は99年サンスポ賞4歳牝馬特別など重賞を4勝したフサイチエアデールで、近親にはフサイチリシャールやライラプスなどがいる。

 23年12月に阪神競馬場の新馬戦でデビュー。スタートが遅く鞍上のムルザバエフ騎手が促してなんとか後方3番手でレースを運び、コーナーも顔をフラフラさせながら回ったが、直線入り口で走りが一変。大外から一気に加速して最後は後続に3馬身差をつける完勝で鮮烈なデビューを飾った。

 2戦目のきさらぎ賞でも出遅れから後方を追走。直線半ばでもまだ前には8頭ほどが残り万事休すかと思われたが、ラスト50mから一気に加速。ゴール板で4頭が並ぶ大接戦の中ハナ差とらえて重賞初制覇を飾った。無敗で臨んだ皐月賞でも大きく立ち遅れて後方のまま直線を迎えるが、不利を受けてバランスを崩し、持ち味の末脚は不発に終わった。通算成績は3戦2勝(うち重賞1勝)。

 キャリアの浅さだけでなく大味なレーススタイルでまだまだ未完成な本馬。クラシック登録がされておらず、皐月賞に続いて200万円の追加登録料を支払っての出走となる。デビューも12月と遅いように、当初の完成度からして皐月賞、そして日本ダービーとクラシックに間に合うとは陣営の想像以上の活躍だろう。追加登録からクラシックを制したのは15年菊花賞のキタサンブラックなど6頭がいるが、日本ダービーのみ勝ち馬が誕生していない。それだけに陣営だけでなくファンの想像をも超える走りに期待したい。