東京競馬場で5月26日(日)に行われる日本ダービー(3歳牡牝・GI・芝2400m)。目前に迫る“競馬の祭典”で、これまでに生まれた金字塔とは。今回は勝ちタイムにまつわる記録について深堀りする。

 近年は何度かダービーレコードが更新されているが、22年にはついに「2分22秒の壁」も破られた。勝ったドウデュースは1000m通過58.9のやや速い流れを後方14番手から運び、最後はイクイノックスの追撃をクビ差で振り切って2分21秒9の好タイムをマーク。騎乗した武豊騎手はダービー6勝目だった。デビューから手綱を執ってきた相棒とともに、レジェンドがレースレコードにも名を刻んでいる。

 そんな数字から想像もできないが、黎明期には2分30秒以上かかるのが当たり前だった。舞台を目黒競馬場から東京2400mに移した第3回はフレーモアが2分45秒台で勝利。初めて良馬場で行われた第6回覇者ヒサトモでさえ、2分33秒3を要している。その後は時代を重ねるにつれ、高速化が進んでおり、近年では重や不良馬場まで悪化しない限り、2分30秒以上かかることはまずない。

 では、馬場が渋った場合の最速タイムはどうだろう。84年以降、良馬場以外で行われたケースは稍重3回、重3回、不良2回の計8回あった。もちろん単純比較はできないが、その中でもっとも速かったのは98年スペシャルウィークの2分25秒8(稍重)。一方で時計がかかったのは、09年ロジユニヴァースの2分33秒7(不良)、次いでオルフェーヴルの2分30秒5(不良)。両者とも芝競走とは思えないくらい、泥んこになった人馬が印象的だった。

 ダービー週は例年通りCコース替わりで、内ラチ沿いが有利な高速馬場が見込まれる。天気予報によれば週半ばに崩れるようだが果たして。今年は2分22秒台の壁を再び破ることになるのか、その勝ちタイムも見ものといえよう。