スプリント路線の拡充を図るという観点から2018年から重賞競走に格上げされ、一昨年からGIII格付けを得たスプリント重賞。舞台となる京都競馬場の芝1200mコースはスタートしてすぐになだらかな上り坂になっていることからペースが上がりにくいうえに最後の直線は短く平坦。基本的には逃げ、先行馬が有利な舞台となっている。

 ◎エトヴプレはフィリーズレビュー優勝馬で桜花賞5着。逃げても逃げなくても競馬ができるのが強味で、フィリーズレビューでは二の脚利かせてハナに立つと、そのままマイペースに持ち込んでの逃げ切り勝ち。積極的に前を追った桜花賞では残り400mで先頭に立ってゴール前まで見せ場を作った。今回は、前走から400mの距離短縮となるが芝1200mでは[2-2-0-1]と得意にしている舞台。不安よりも期待の方が大きい。

 〇オーキッドロマンスはファルコンS2着馬。先行力と粘着力を武器に、ここまで芝1400m以下のレースでは[2-2-1-0]と安定している。レコード決着となった京王杯2歳Sは勝ち馬から0.1秒差3着で、クロッカスSは同タイム2着。前走も積極的な競馬から最後の直線で1度は後続を突き放したが、大外を強襲した勝ち馬の決め手に屈する格好となってしまった。京都競馬場は初めてだが、右回りコースは2戦2勝と得意にしている。

 ▲ナナオはマーガレットS優勝馬。不思議と良馬場での出走経験が少ない馬だが、それでも芝1400m以下は[3-2-0-0]。レースセンスが武器だが、ロードカナロア産駒の小柄な牝馬だけに、力を要する馬場の方が向いているとも思いにくい。ここは試金石の1戦になりそうだが、このカテゴリーでは底を見せていない楽しみがある。

 △エリカカリーナは中山競馬場芝1200m1勝クラス優勝馬。未勝利戦を勝ち上がったばかりのクロッカスSでは2着オーキッドロマンスと同タイム3着だった。距離短縮を味方にリベンジを誓う。

 ほか、橘S優勝△ガロンヌや、この距離を得意とし、この距離で[2-2-0-0]とスピードのある△ピューロマジック、同じくこの距離で[2-0-0-0]の△ペアポルックスも抑えておきたい。