京都競馬場で6月23日(日)に行われる宝塚記念(3歳上・GI・芝2200m)。春GIの総決算となるグランプリでは、これまで多くの記録やドラマが生まれてきた。一方で数を重ねても未だ達成されていないものもある。そこで、グレード制導入以降の宝塚記念において達成されたことがない「史上初」を取り上げてみたい。今回は「騎手の連覇」。

 84年のグレード制導入以降、意外にも宝塚記念では騎手の連覇がない。83年以前を見ると、内藤繁春元騎手が66年にエイトクラウン、67年にタイヨウで達成しているが、その後はなし。歴代最多の4勝を挙げている武豊騎手も、勝った翌年は90年シンウインドが8着、94年ベガが13着、98年エアグルーヴが3着、そして07年ポップロックが3着だった。

 今年はC.ルメール騎手が連覇に挑む。7回目の参戦となった21年にクロノジェネシスで初制覇。22年はオーソリティで無念の競走除外だったが、昨年はイクイノックスで快勝。出走した年に限れば2連勝中となっている。そして今年のパートナーはジャスティンパレスだ。昨年の天皇賞(春)の覇者。その後は惜しくも勝利に手が届いていないが、GIばかりを使われて3着、2着、4着、4着。イクイノックスがターフを去った今、現役最強の座を狙える1頭であることは間違いない。

 ルメール騎手はこれまでに新馬、黄菊賞、阪神大賞典、天皇賞(春)で騎乗して4戦4勝。抜群の相性を誇るだけに、パートナーに2つ目のビッグタイトルをもたらし、レース史上初となる騎手の連覇が達成されることを期待したい。