プレミアアンチエイジングは、2021年7月期の通販売上高が前期比141.5%増の222億8400万円だった。足元の2021年8月‐2022年4月期(第3四半期)通販売上高は、前年同期比12.1%増の178億6800万円で推移した。主力のスキンケアブランド「DUO(デュオ)」で培ったマーケティング実績を生かしたプロモーションが奏功し、後発ブランドも着実に育っている。河端孝治取締役常務執行役員に、これまでの変遷や今後の意気込みを聞いた。

<全カテゴリーで1位目標>
――2021年7月期は通販売上高が大きく伸長した。これまでのコロナ禍での手応えや今後の見通しは?

コロナ禍による大きな打撃はない。巣ごもり消費の影響で、事業全体の売れ行きにはプラスに作用している。好調な国内事業だけにとどまらず、今後はアジア圏を中心とした海外事業の成長にも力を入れたいと考えている。8月1日付の機構改組では、海外事業部を海外事業本部に格上げした。

――6月に2022年7月期連結業績を下方修正し、売上高は期初予想を60億円下回る340億円(前期比3.6%増)、営業利益は同37億円下回る23億円(同50.9%減)とした。その他の利益も前期を大幅に下回る見通しとなった要因は。

「デュオ」のクレンジングバームの売れ行きが、リテール(小売り)市場で打撃を受けていることが影響している。これは、後発の競合商品が続々と増えているからだ。特に今春はバーム型のクレンジングが市場に多く台頭しており、各社は積極的なプロモーションに乗り出している。価格的に低単価なものも多い。このことから、当初想定していた成長ペースよりはやや鈍化してしまった。これにより下方修正に踏み切った。

ECはオンラインなので、商品紹介のスペースに限りがないが、小売りは商品を置く棚に限りがある。リテールは比較的利益率が高いことからも、利益の下方修正に波及している。

下方修正は、一概にネガティブには捉えていない。当社にはブランドを作り出し、育てていく力がある。今後に向けても既存のヒット商品に続くブランドの準備をしている。

主力のクレンジングだけにとどまらず、オールインワンでも、ヘアケアでも、化粧品の各カテゴリーでいずれも圧倒的なナンバーワン企業を目指していく。

――「デュオ」に続く収益の柱として育成しているオールインワンスキンケアブランド「CANADEL(カナデル)」の手応えは?

「カナデル」は約3年前にローンチし、育成してきた。現在、売上高に占める「カナデル」の割合は15%で、堅調に成長している。創業当時から「デュオ」のクレンジングバームが売り上げをけん引しており、現在も事業全体の主力であることに変わりはないが、それだけに依存していては成長曲線が止まってしまう。

「デュオ」が100億円規模の売り上げに成長するまでには約10年かかったが、「カナデル」はおよそ3分の1のペースで成長している。


<成功パターンを踏襲>
――「カナデル」の成長の秘訣は?

2つ理由がある。1つは、「デュオ」で積み上げたマーケティングの知見を生かしたプロモーションができているからだ。「デュオ」のプロモーションでさまざまな試行錯誤をしてきたことで、マーケティングの質や精度が向上した。これを「カナデル」に反映できた。

当社はもともと、ウェブマーケティングからスタートした。まず、ここで蓄積した「成功パターン」のマーケティングがある。次に、小売店向けに卸売りしていく段階に移行するときも同じだ。マス展開のタイミングや、購買の機会損失にならないような買い場づくりなど、「デュオ」の試行錯誤を生かし、適切なプロモーションに乗り出すことができた。

2つ目は、商品のポジショニングに成功したこと。オールインワンスキンケアブランドは一般的に、中高年の女性が主なターゲットになることが多い。こうしたターゲット層は、時短で手軽にスキンケアできるという利便性を重視してオールインワンを選ぶ傾向にある。

「カナデル」はそうしたターゲットとは異なる層から支持を得ている。化粧に対する意識やモチベーションが高い人向けの高機能なオールインワンアイテムとしているからだ。「こだわった商品でしっかりスキンケアをしたいが、時間をかけずに化粧したい」という潜在的な需要を掘り起こすことができた。これまでは、そういった需要を掘り起こすような製品は市場にほとんどなかった。需要に応える製品を市場に提供できたことが、「カナデル」の成功要因と捉えている。年齢層は20代〜50代まで幅広くリーチできている。

――既存ブランドを成長させているほか、今年3月にはヘアケアブランド「clayence(クレイエンス)」も発表した。

「クレイエンス」は、「カナデル」も上回るようなスタートダッシュができている。「カナデル」もそうだが、ブランドを生み出して育てていく、というところにわれわれは大きな強みを持っていると感じている。