数量政策学者の高橋洋一が8月10日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。日本人の人口が13年連続で減少したことについて解説した。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

日本人の人口、13年連続で減少

2022年1月1日時点の日本人の人口は1億2322万人あまりで、2021年からおよそ62万人減り、13年連続で減少した。新型コロナの影響で都市部への流入が減ったことなどから、東京は26年前の平成8年以来の減少に転じた。

人口が減ることのどこが問題なのか

飯田)都道府県ごとにみると、増えたのは沖縄県のみで、神奈川県はほぼ横ばいという感じでした。統計学上、もうわかっていることではあるのですか?

高橋)予測できるでしょう。ずっと減少しています。

飯田)出生数が出ているわけで、それも減ってきている。

高橋)生命表という「どのくらいになると死ぬか」という安定的な指標があって、これがないと生命保険はつくれないのです。出生率の予測は難しくないのだけれど、死亡率の予測はもっと簡単です。人口の減少は、今後何年かは続きます。10年〜20年は。そのあとどうなるのかはわかりませんが。

飯田)そこから先は出生率がどうなるのかということで。

高橋)出生率に依存します。日本の人口は約1億2000万人であり、減っていけば1億人を切るのは間違いありません。しかし、8000万人くらいになっても、世界のなかで20番以内には入るくらいの大きい国なのです。「どこが問題なのか」と私はいつも聞きます。ほとんどの人はその問題に答えられません。

飯田)確かにそうですね。

人口爆発は対応が難しいが、人口減少には装置化によって対応できる

高橋)いままでのいろいろな学問で言うと、人口が減少することへの対応策は簡単なのです。人口が減ることはそれほど大きな問題ではなく、人口爆発の方が大変です。ロバート・マルサスの「人口論」でもあるように、人口爆発が起こるとほとんどコントロールができなくなって、対応策がないのです。しかし、人口減少の場合は対応策がある。要するに、機械化やロボットを増やすという単純な回避方法があるのです。

飯田)労働人口が減少していくから、その分を機械化などで補っていくということですね。

高橋)経済学で言うと、装置化するということです。

人口減少による問題がわかっていれば、そこを修正すればいい

高橋)もう1つは、人口について予測するのは簡単です。予測するのが簡単なときは、社会制度を変えることも簡単なのです。「問題がわかっているのならば、そこを修正すればいいのではないか」と昔から言っています。「人口減少が大変だ」という前提で話をするのだけれど、「何が大変なの?」と聞くと、案外答えがないのです。

飯田)人が減っていくと「ものが売れなくなってしまう」というようなイメージがあるのですか?

高橋)つくる人も減るから、あまり関係ないのですけれどね。人口が減っている国は世界のなかで20ヵ国〜30ヵ国あるのです。しかし、それらの国が大変になったという話は聞いたことがありません。

飯田)人口が減ることによって、内需がシュリンクしていくから経済が減速する、「人口オーナスだ」と言われていますが。

高橋)国内総生産(GDP)をみれば、「給与×人口」なのでGDPは減りますが、1人あたまのGDPでみると、人口の増減はほとんど関係ないということがわかっています。

飯田)そうすると、まさに「何が問題?」ということですね。

高度成長時代の人手不足も装置化でイノベーションが起きた

飯田)特にこれからAI(人工知能)の活用が増えてきます。AIが人間の仕事をほとんど代替できるのではないかという話になってくる。

高橋)AIを使えばやりやすいですね。人口減少への対応は簡単で、先ほど言った機械化するというようなことなのですが、「AIが出てくると仕事が減って大変だ」と言いつつ、「人口減少も大変だ」と言うと矛盾してしまいますよね。

飯田)かつて高度経済成長時代に「人手不足だ」と言われたときは、まさに装置化によって飛躍的にイノベーションが起こった。日本はその下地があると言えるのかも知れないですね。

高橋)「必要は発明の母」という言葉があって、足りなくなっても何とかなる、何とかするのです。