外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が8月12日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。FBIによるトランプ前大統領の家宅捜索について解説した。

トランプ前米大統領(米ワシントン) AFP=時事 写真提供:時事通信

トランプ前大統領宅をFBIが家宅捜索

トランプ米前大統領は8月8日に声明を出し、南部フロリダ州のリゾート地パームビーチにある自身の邸宅マールアラーゴが連邦捜査局(FBI)による家宅捜索を受けたと明らかにした。

飯田)メールでご意見もいただいています。埼玉県在住の男性の方から、「バイデン政権や民主党が、2024年の大統領選にトランプさんが出られないようにするためのものだ、などという分析をよく見るのですが、どうお考えですか?」という質問です。

宮家)それしかないでしょう。

飯田)やはり、そうなのですか。

宮家)トランプさんご本人はやる気満々で、おそらく11月の中間選挙前に出馬を発表するかも知れません。しかし徐々に、トランプさんからすれば包囲網のようなものが迫ってきたな、という感じがあると思います。

トランプグループの脱税などの問題と、持ち出されたホワイトハウスの機密文書の捜索

宮家)基本的には法律の世界の話なのですが、ニューヨーク州では州法に基づき民事と刑事で脱税など、トランプグループの企業の問題が生じている。もう1つは、連邦刑法でやっているわけですが、フロリダにマールアラーゴという邸宅があります。

飯田)別荘ですよね。

宮家)そこに連邦捜査局(FBI)の家宅捜索が入った。ホワイトハウスの機密文書が持ち出され、それを返していないということです。私の知る限り、持ち出すこと自体は了解を取っていればいいわけです。回顧録を書いたりするためには必要ですから。ただ、返さなければ困るわけですし、それを破って捨てたり、燃やしてしまったら大変なことになります。

飯田)そうですよね。

宮家)それをやったのではないかということで、おそらく家宅捜索に入ったのでしょう。トランプさんはとても怒っていて、「俺の金庫まで開けやがった」などと言っているわけですけれども。しかし、これは連邦法、しかも国家文書の保全に関する法律ですから、文句の言いようがないと思います。

飯田)文句は言えない。

宮家)いずれにしても、徐々に圧力が高まっている。アメリカの情勢を見ると、必ずしも「次の大統領はトランプさんでいい」と思っている人達が多いわけではありません。バイデンさんもトランプさんも年を取りすぎていないかということで、2024年に出馬するとなれば「それは二人ともどうだろうか」と考える人が過半数のようです。トランプさんが簡単に勝てるとは思わないけれども、状況は更に悪くなっているということだと思います。