ジャーナリストの有本香が8月16日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。安倍元総理の国葬について解説した。

官邸に入り、記者の取材に応じる安倍晋三首相=2020年4月10日午前、首相官邸 写真提供:産経新聞社

安倍元総理大臣の国葬 〜ハリス副大統領参列で調整へ

日米両政府は、9月27日に日本武道館で行われる安倍晋三元内閣総理大臣の国葬儀に、アメリカのハリス副大統領が参列する方向で調整に入った。ハリス副大統領の来日が実現すれば、2021年1月の副大統領就任後、初めてとなる。岸田総理とも会談する見通しで、安倍元総理が提唱した「自由で開かれたインド太平洋」構想の実現に向け、両国が連携して対応することを確認する。

飯田)バイデンさんは日程上の理由で自身の出席を見送るそうです。

有本)副大統領がお越しになるというのは大きなことです。オバマ元大統領も参列する予定になっています。

飯田)そのようですね。

有本)仄聞したところによると、アメリカ側は最初からかなりの規模で来るということを日本側に告げてあったようです。副大統領がお越しになるということであれば、それなりのデリゲーションで来るだろうと。

同盟国、友好国、互恵国、敵対国の4つに分けられる

有本)最初は日本の外務省が「各国数人くらいと考えているのですが……」というような状況だったと聞いています。国交のある国々に通知をしていると思いますけれども、世界には多くの国があります。日本と国交のある国だけでも百数十ヵ国ありますけれども、それらの国々のなかで、まさに安倍元総理がおっしゃっていましたが、国としての関係性の違いがあるわけです。

飯田)国としての関連性の違いが。

有本)アメリカは日本にとって唯一の同盟国ですよね。だから運命共同体と言ってもいいと思うのだけれど、そういう国々と、価値観を共有している友好的な国。それ以外に互恵国、つまりメリットがあるところだけ付き合おうという国があります。

飯田)互恵国。

有本)例えば中国は、戦略的という言葉をつけて「戦略的互恵」と言っているけれど、そういう国々がある。それと敵対国という、大きく4つに分けられると思います。敵対国は除いたとしても、唯一の同盟国であるアメリカから大デリゲーションが来るというのは、当然のことだと思います。

弔問外交的な場になる安倍元総理の国葬儀

有本)それ以外に友好的な国々が、安倍元総理の功績に敬意を表しに、また日本に対してお悔やみを言いに来られるということですから、ある程度の強弱がついてしまうのは仕方がないことだと思います。

飯田)強弱があることは。

有本)でも、そこは1つの「弔問外交的な場」にもなっていくのだろうと思います。安倍さんの功績のなかには、地球儀を俯瞰する外交というものが大きかったわけです。安倍元総理の国葬儀において、日本がそうした外交の場をつくっていくというのは、まさに故人を悼む意味でも意義が大きいのではないかと思います。だから、あまりお役所仕事的なことにしないでいただきたいなと思います。

安倍元総理がつくった「自由で開かれたインド太平洋」構想がアメリカの戦略に

飯田)「自由で開かれたインド太平洋」構想は、日本の安倍さんから提案され、それがアメリカの戦略を変えていて……。

有本)アメリカの戦略になっていますからね。

飯田)こんなことは戦後かつてなかったことだと。

有本)ありません。構想されたのは第1次安倍政権より前ですからね。最初に安倍さんが自分の言葉で発信したのは、第1次政権を病気でお辞めになる直前、インドに行ったときです。インドの国会演説で「2つの海の交わり」という名演説をされた。これが最初の自由で開かれたインド太平洋構想の青写真だったのです。未だにインド政界でも高く評価されています。

飯田)アジア太平洋という言葉は使われていましたが、そこにインド洋も加えた。

「価値観外交」を実践した安倍元総理

有本)その言葉を付けて、自由で開かれた地域をつくっていこうというコンセプトですよね。安倍さんが示した外交は、価値観が軸に置かれているものです。「価値観外交」とよく言われましたけれど、実際に「こういうものですよ」と実践して見せてくれたところが大きいと思います。ですので、それを継いでいくという形の国葬、そして弔問外交の場としていただきたいです。

飯田)その弔問外交も、価値観を同じくする国々を中心として集まるという。

有本)それは仕方がないですね。

飯田)中国は誰を出してくるのか。

有本)インドやASEANの国々とも、日本は価値観を軸にして今後も付き合い、同じ価値観を守っていくのだということも発信する場であって欲しいです。