熊谷英樹氏の最新作『必携「からくり設計」メカニズム定石集 Part2 ―図でわかる簡易自動化の勘どころ―』の発行を記念し、熊谷氏の人気書籍『今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしいシーケンス制御の本』(共著)と、『必携 シーケンス制御プログラム定石集 Part2 ―機構図付き―』、『必携「からくり設計」メカニズム定石集 Part2』の一部を紹介します。
 今日は『必携 シーケンス制御プログラム定石集 Part2 ―機構図付き―』から「1つのモメンタリスイッチで確実にON/OFFを切り替えるにはタイマとパルスを使う」です。昨日掲載した『トコトンやさしいシーケンス制御の本』の「スイッチの直列接続と並列接続」を入門編とすれば、応用編の一歩といえる内容です。

1つのモメンタリスイッチで確実にON/OFFを切り替えるにはタイマとパルスを使う

1つのスイッチで出力のON/OFFを制御をする場合、入力のパルス信号を使うことがあります。このときにスイッチがチャタリングを起こしたりノイズが入ったりすると、切ったはずの信号が切れていなかったり、思わぬトラブルの原因になることがあります。このようなケースでは、スイッチ入力信号をタイマで延長して短いノイズを消してからタイマの接点を使ってパルス出力をつくるようにするとトラブルが解消されます。

1つのモメンタリスイッチでランプの点灯と消灯をするプログラムは、スイッチ入力をパルスにして図3のようにつくることができます。しかしながら、モメンタリスイッチがときどきチャタリングを起こして入力信号が安定しないとうまく切り替わらなくなることがあります。

この場合は図4のように入力に短い時間のタイマを入れてタイマの出力をパルスにしてランプを切り替えるようにします。

ここがポイント

この例では0.01秒よりも短いノイズやチャタリングには反応しなくなるので動作が安定します。タイマT00の設定値を長くしすぎると、操作したときにスイッチが故障したような違和感が出るので注意が必要です。

(「必携 シーケンス制御プログラム定石集 Part2 ―機構図付き―」より一部抜粋)

<書籍紹介>
 実務に役立つ書籍として好評を博している「必携 シーケンス制御プログラム定石集」の続編。このPART2では、シーケンス制御の目的別にプログラム作成の要点を解説、より実践に即した内容とした。立体的な機械構造図と回路図、プログラムをセットで掲載し、理解しやすい構成となっている。

書名:必携 シーケンス制御プログラム定石集 Part2 ―機構図付き―
著者名:熊谷英樹
判型:B5判
総頁数:176頁
税込み価格:2,750円

<著者>
熊谷 英樹(くまがい ひでき)
1981年 慶應義塾大学工学部電気工学科卒業。
1983年 慶應義塾大学大学院電気工学専攻修了。住友商事株式会社入社。
1988年 株式会社新興技術研究所入社。
現在、株式会社新興技術研究所専務取締役、日本教育企画株式会社代表取締役。山梨県産業技術短期大学校非常勤講師、自動化推進協会理事、高齢・障害・求職者雇用支援機構非常勤講師。

<主な著書>
「ゼロからはじめるシーケンス制御」日刊工業新聞社、2001年
「必携 シーケンス制御プログラム定石集―機構図付き」日刊工業新聞社、2003年
「ゼロからはじめるシーケンスプログラム」日刊工業新聞社、2006年
「絵とき『PLC制御』基礎のきそ」日刊工業新聞社、2007年
「MATLABと実験でわかるはじめての自動制御」日刊工業新聞社、2008年
「新・実践自動化機構図解集―ものづくりの要素と機械システム」日刊工業新聞社、2010年
「実務に役立つ自動機設計ABC」日刊工業新聞社、2010年
「基礎からの自動制御と実装テクニック」技術評論社、2011年
「トコトンやさしいシーケンス制御の本」日刊工業新聞社、2012年
「熊谷英樹のシーケンス道場 シーケンス制御プログラムの極意」日刊工業新聞社、2014年
「必携 シーケンス制御プログラム定石集 Part2―機構図付き―」日刊工業新聞社、2015年
「必携『からくり設計』メカニズム定石集―ゼロからはじめる簡易自動化」日刊工業新聞社、2017年
「ゼロからはじめるPID制御」日刊工業新聞社、2018年 ほか多数

<販売サイト>
Amazon
Rakutenブックス
日刊工業新聞ブックストア

<目次抜粋>
第1章 操作をしやすくするスイッチとランプの使い方
定石1 スイッチ1:1つのモメンタリスイッチで確実にON/OFFを切り替えるにはタイマとパルスを使う
定石2 スイッチ2:順序回路やデータをオールリセットするときには警告する
定石3 スイッチ3:角度分割機構は駆動部の終端信号で制御する

第2章 アクチュエータとセンサの機能を引き出すプログラム
定石9 モータ1:クレーンを連続運転するときにはストップスイッチを付ける
定石10 モータ2:末端減速メカニズムは回転軸の死点で止める
定石11 モータ3:コンベア上で作業をするときは作業ユニットの動作中信号でコンベアを停止する

第3章 タイマとカウンタを使いこなす
定石19 タイマ1:センサが不安定なときの連続運転はセンサと時間経過で止める
定石20 タイマ2:ワーク持ち上がり防止のワーク押さえは時間をずらして動作させる
定石21 タイマ3:シリンダをストロークエンドまで動作させるにはタイマを使う

第4章 インターロックとインデックス
定石28 インターロック1:インターロックは片側優先・先入優先・停止優先を使い分ける
定石29 インターロック2:裏返しユニットがぶつからないようにするにはインターロックをかける
定石30 インデックス1:インデックステーブルの1回転停止は4つの制御型を使い分ける

第5章 ワークセット信号の扱い方
定石32 ストッカー1:棚に格納したワークの有無信号はSET/RST命令でON/OFFする
定石33 ストッカー2:パレタイザ型ストッカーはパレット交換完了信号をつくって制御する
定石34 ストッカー3:棚へ格納する順序はワークセット信号でつくる

第6章 ロボットを制御するプログラム
定石36 ロボット1:1軸ロボシリンダはポジション選択とストローブ信号で制御する
定石37 ロボット2:ロボシリンダの移動完了を検出するにはビジー信号を使う
定石38 ロボット3:ワークを棚に置いた信号はSET命令で記憶して取り出したらRST命令で消去する

第7章 不良検出と不良処理のプログラム
定石39 不良処理1:作業が開始できない不良を検出したらオペレータを呼ぶ
定石40 不良処理2:作業中の不良信号は装置の状態信号を使う
定石41 不良処理3:コンベアで送ったはずのワークがなくなったときはタイマで処理する

第8章 順序制御のための5つの制御方式
定石42 制御方式1:とりあえず動かしてみるならばパルス制御型を使う
定石43 制御方式2:リミットスイッチがない作業ユニットは時間制御型で動かす
定石44 制御方式3:機械の姿勢をリミットスイッチで特定できれば姿勢制御型で動かせる