ダイキン工業は韓国・忠清南道に半導体製造用のフッ素系エッチングガスの新工場を建設し、2022年10月をめどに稼働する。現地の半導体製造装置メーカー、C&Gハイテックと設立する合弁会社を通じ、韓国サムスン電子やSKハイニックスなどの半導体メーカーに供給するとみられる。総投資額は5年間で40億円弱(約420億ウォン)。19年に韓国への輸出管理が強化された製品に該当しておらず、需要地に生産体制を構築するのが狙い。

ダイキンはこのほど忠清南道と投資契約を交わした。忠清南道の唐津に敷地面積約3万4000平方メートルの工場を建設し、従業員50人程度を雇用する。

新工場で生産するエッチングガスは、ドライエッチングと呼ばれる半導体の製造工程で、感光剤(レジスト)などの薄膜を除去して微細な回路を形成するのに用いられる。

ダイキンは韓国の半導体製造用ガス市場で28%程度のシェアを持ち、現在は日本や中国などの工場で生産した製品を供給している。今回、新工場を建てるのは顧客近くに生産体制を構築し、生産能力と納期対応などを強化するのが狙い。

半導体製造用のフッ素材料は19年に韓国向けの輸出管理が強化されたが、ダイキンの製品はこの対象となっていない。

ダイキンのフッ素材料を含む化学事業は、20年度前半に新型コロナウイルス感染拡大の影響で需要が減少した。21年3月期の売上高は前期比11%減の1600億円となる見通し。

ただ、中長期では第5世代通信(5G)用半導体や車載電池向けなどの需要増を見込んでおり、19―22年頃に計1000億円を投資する計画。現在、米国や中国でもフッ素材料の生産能力増強を進めている。

富士経済がまとめた半導体用材料の世界市場規模は、24年に19年比23%増の405億3000万ドル(約4兆2000億円)に達する見込み。このうち、前工程材料は、メモリーの高層化でエッチングガスや成膜材料などが伸び、同26・3%増の324億2000万ドル(約3兆3500億円)と予測している。