製造業と非製造業の回復度合いに濃淡がはっきりしてきた。日銀が15日に発表した4月の地域経済報告(さくらリポート)は、半導体関連の回復の広がりを指摘する一方、まん延防止等重点措置のため「(飲食や宿泊など)サービス消費への下押し圧力は強い」(近畿)などコロナ禍の厳しさを示す。全9地域のうち、設備投資は6地域が判断を引き上げ、逆に個人消費は7地域が引き下げた。

東北と北海道を除く7地域が景気判断を据え置いた。全体としては製造業がけん引し、持ち直し基調を保っている。生産は北陸、近畿、中国など5地域が引き上げた。

2020年に一足先に立ち上がった自動車は、世界的な需要沸騰やルネサスエレクトロニクスの主力工場の火災などによる半導体不足の影響がある。林新一郎日銀名古屋支店長は「供給制約で当初の生産計画から調整した計画にしている」と指摘する。「鈍化」(北海道)、「持ち直し」(中国)、「高水準」(九州)と地域ごとに判断にバラつきがある。半導体や電子部品がスマートフォンや第5世代通信(5G)向けで改善した地域が目立つ。「当分の間は高操業を続ける」(関東甲信越)、「フル生産」(九州)など活況を伝える声が出てきた。

サービス消費は「持ち直しの動きが一服」(東北)、「下押し圧力の強い状態」(東海)と厳しさが一部で増している。これらに代わり、家電製品など財消費の意欲が高い。国内富裕層が株価上昇に伴う資産効果もあり、高級アパレルや時計などの購入に動く。

黒田東彦日銀総裁は先行きについて、海外経済の回復が国内景気に引き続き波及し、「改善基調をたどる」と見通す。