コロナ禍で換気や空気浄化システムを搭載した一戸建て住宅の受注が好調だ。積水ハウスの換気システム搭載の住宅は、2020年12月の発売から3カ月半で1000棟超の受注を獲得。積水化学工業の換気システムを含む住宅の受注は、3月に前年同月比1・7倍に増えた。3月末に申請が始まった住宅需要喚起策「グリーン住宅ポイント」では換気に関する工事費も支援の対象になる。他の住宅メーカーも顧客へ換気システムの提案に力を入れている。(大城麻木乃)

積水ハウスの換気・空気浄化システム「スマートイクス」は、月間の販売目標200棟を上回るペースで受注を伸ばした。2月だけで346棟売れ、3月は受注した一戸建て住宅の60%超に同システムが採用されたという。同社は購入を検討している顧客向けに空気の流れを動画でシミュレーションして効果を実感してもらう提案営業を8日に開始、さらに普及を目指す。

換気システム運転20分後(積水ハウス総合住宅研究所での実験)

積水化学工業は、換気システム「快適エアリー」や太陽光発電などがセットになった住宅が「コロナ禍で例年より売れている」(福島弘之住宅営業部長)。20年7月にテレワーク用の書斎の付いた間取り提案とともに「ステイ&ワークモデル」として打ち出したところ、換気などとセットになった住宅の販売は、前年同月比で「1・2倍、1・5倍と増え、3月には1・7倍になった」(同)という。

三菱地所ホームは全館空調システム「エアロテック」の受注が好調だ。新築の一戸建て注文住宅における搭載率は20年度4―9月期が95・9%、同10―3月期が96・9%。「エアロテックが当社の強みとして顕著に数字に表れている」(同社)と見ている。

三井ホームでも全館空調システム「スマートブリーズ」の搭載比率が「コロナ前より1割弱増えている」(同社)という。

積水ハウス住生活研究所が20年11月に一戸建て住宅に住む約1000人を対象に行った調査によると、「家の中の空気がきれいだと健やかに感じる」と答えた人の割合は92・5%に達した。同社は「室内の空気環境への世間の意識が以前より高まった」と捉える。

住宅メーカーにとっては、換気システムを搭載した住宅は単価が上がるため、自然と販売に力が入る。さらに換気システムの追加工事も対象となるグリーン住宅ポイント制度が始まったことも、業界には追い風だ。

ただ、同制度を追加工事で利用する場合には22年1月までの入居が申請の条件。住宅を建てる際には通常、契約後に設計の相談に3カ月、工事に5カ月かかる。逆算すると、「4―5月に契約してギリギリ間に合うタイミング」(三井ホーム)だ。制度自体がまだ消費者には十分知られていないため、「何に利用できるのかと合わせ、周知に努めたい」(同)としている。