経済同友会は21日、経済安全保障の強化に向け、産学官が連携して機微技術を育成すべきだとする提言をまとめた。米中の技術覇権競争が激化する一方で、民生技術と防衛技術の境界が曖昧になっており、両技術の距離を縮めることが必要になると主張している。

政府に対し、経済安保の観点で研究開発全体を俯瞰(ふかん)して戦略的に集中分野を定め、産学官の資金や知見の相互提供を促すことを求めた。国家安全保障局(NSS)を司令塔に、防衛省の伝統的な安保と、経済産業省、文部科学省、総務省などによる経済安保の技術支援に横串を通すことが重要だとした。

同日都内で開いた会見で、同友会国際問題委員会の小柴満信委員長(JSR会長)は「先端技術の開発で防衛分野との関わりを避けることは難しく、民生分野の研究開発を制限することは日本の先進国としての地位を脅かしかねない」と話した。

また提言は学術界に対し、防衛技術の研究開発をタブー視せず、機微技術の研究ができる環境を政府と整備すべきだとした。また、日本の防衛予算や科学技術予算が米国や中国に劣っていることから、企業が中心になって機微技術を保有することが国家戦略上、重要な選択肢だとした。

小柴委員長は「グローバリゼーションとデカップリング(分離)が混在している。『地政学』に加え『地経学』と『地技学』という新しい境界条件に向き合う企業経営が求められる」とも指摘した。