ACW―DEEP(川崎市川崎区、山口聡社長)は、仮想現実(VR)の映像に実写映像を重ねる独自技術を用いた頭部装着型ディスプレーシステムで、装着感に優れた次世代機の試作モデルを年内にも完成させる。重量を4割以下に減らすなどして使い勝手を高め、作業訓練用や安全教育用でシステムの導入拡大につなげる。開発を本格化するためクラウドファンディング(CF)で、5000万円程度の資金を調達する計画だ。

VRを発展させたACW―DEEPの特許技術「AVR」は、コンピューターグラフィックス(CG)の3次元(3D)映像に、利用者の手元や足元の実写映像を、リアルタイムで重ね合わせて表示できる。工場や工事現場を再現した仮想空間内で、実在の工具や安全器具を使い、高い臨場感とともに作業や事故を模擬体験できる。

現実空間の映像を撮影し、CGと合成して映し出す3D立体視カメラ付きディスプレーを、今の約850グラムから300グラム以下に軽量化。顔面に装着するゴーグル型の形状も、ヘルメットなどからつるす非接触型に改め、長時間使っても疲れにくい構造にする。5000万円規模に上る開発資金の調達にCFを活用する方向で、すでに関係先と協議中。

作業訓練用や安全教育用では、建設現場の高所作業や工場・倉庫のクレーン操作を体験できるシステムを実用化済み。ディスプレーの改良で利用者の負荷を減らし、需要拡大に弾みを付ける。