東洋エンジニアリングや伊藤忠商事などは、ロシアと日本間で取り組む「ブルーアンモニア=用語参照」プラントの商業化について早ければ2026年度中に実現する。生産過程で発生する二酸化炭素(CO2)を隔離してCO2フリーを実現したアンモニアを国内に輸送することを目的として事業化調査に着手。結果が良好であれば、当初はプラント1基を設置する。既存技術を応用することで「ブルー」を実現しながら、投資効果も高める。

事業化調査の第2段階に入っている「アンモニアバリューチェーン」では、炭化水素などを含む天然ガスからアンモニアをプラントで生成する検討を始めた。建設を検討するアンモニアプラントの生産能力は、年100万トン弱とする。

製造過程で炭素を切り離すことから、CO2を空気中に放出していたのが課題となっている。これを解消するため原油増進回収法(CO2―EOR)で有効活用。バリューチェーンに参加するイルクツーク石油(IOC)が保有する油田へ発生したCO2を圧入し、油圧層を回復させて産出量の増加につなげる。

脱炭素への取り組みが全世界で加速するなか、アンモニアは水素とともに次世代のエネルギー源として有望視される。

東洋エンジや伊藤忠のほか、IOCや石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が20年に事業化調査の実施に合意。液化石油ガス(LPG)と同様のインフラで国内へと輸送し、火力発電所などで使用することを模索する。

東シベリアで伊藤忠は、原油の探鉱や開発などでIOCと協業を進めてきた。また東洋エンジはアンモニアプラントの建設を祖業としており、これまでで約80の計画に携わってきた実績がある。

19年の日本国内の原料アンモニアの消費量は約108万トン。国内生産は約8割、輸入は約2割で使用用途は肥料や工業用途。世界の原料アンモニアの生産量は年間約2億トン。石炭火力発電にアンモニアの20%混焼を実施すると、1基(100万キロワット)につき年間約50万トンのアンモニアが必要となる。

【用語】ブルーアンモニア=アンモニアは発電に直接利用でき、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を発生しないことから次世代のエネルギー源として期待されている。だが天然ガスからアンモニアを生成する際にCO2が発生するのが課題とされる。そこで貯蔵のほか原油増進回収法などで活用し、CO2を相殺すると「ブルーアンモニア」になる。カーボンニュートラルな材料としてIHIなどがブルーアンモニアの混焼試験を進めている。