次世代の国産航空機開発を推進するため、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が産学官連携組織「航空機DXコンソーシアム」を立ち上げることが明らかになった。機体全体の開発ではボーイングやエアバスなど欧米が先行するが、脱炭素化の潮流やモビリティーの多様化を受け、水素燃料航空機や電動垂直離着陸型航空機(eVTOL)など革新的技術の開発が進む。試作シミュレーションや人工知能(AI)による解析システムなどの実証基盤を構築し、国産航空機開発を後押しする。

JAXAが設立するコンソーシアムには航空機メーカーや航空会社、ITベンダー、大学などが参画する見通し。設計・認証、製造、運用、廃棄という「航空機ライフサイクル」技術をデジタル変革(DX)で効率化し、国内メーカーへの技術移転などを進める。

具体的には空力や構造、飛行、制御、推進など多分野を統合的に解析する技術、飛行シミュレーターを用いたデジタルフライト技術、構造強度証明を迅速化する技術、サイバー空間での試作シミュレーションを通した開発プロセスの実証などを想定する見込み。

JAXAは22年度から始まる航空技術部門の研究開発計画を取りまとめている。今後10年を見据えて取り組むべき領域での重点課題の一つにDXを掲げる。22―25年ごろに構造や制御などの技術の構築・検証やAIでの解析を盛り込んだ。30年には飛行試験代替技術の確立を目指す。

日本の航空機産業は主に欧米メーカーとの機体構造、航空機エンジンの国際共同開発への参画を通じて事業規模を拡大してきた。JAXAは20年代後半にも予想される次世代細胴機や「空飛ぶクルマ」などの開発、運用に加え、国内完成機事業の再開も見据えて航空機ライフサイクル全体のデジタル化を進める方向だ。


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