大阪産業大学の中山雅人准教授らは2種類のスピーカーを組み合わせて音の遠近感を再現するシステムを開発した。同じ場所に置いた2種類のスピーカーから音を出し、重ね合わせた音を聴いた人に「近くで音がする」「遠くで音がする」と錯覚させる仕組み。アミューズメントや医療、テレワークなど多彩な分野で応用が期待でき、今後、共同研究する企業を募る。3年後、実用化にめどをつける計画だ。

一般的なスピーカーの動電型スピーカーと、超音波を使った指向性の高い特殊なスピーカーのパラメトリックスピーカーを併用。人は日頃、耳に直接届く音(直接音)と壁や天井、床に反射してから間接的に届く音(残響)の両方を基に音源までの距離を推定する。開発したシステムは動電型が主に残響、パラメトリックが直接音の役割を担い、両スピーカーからの音を重ねて遠近感をつくり出す。

近くは残響が小さく直接音が大きい、遠くは残響が大きく直接音が小さいといった具合に、両スピーカーから出力する音の割合を制御し、音を聴いた人に音源までの距離を錯覚させる。プログラムで音の割合を自動的に変え、楽器を奏でる音や鳥の鳴き声が、あたかも次第に近づいたり離れていくように錯覚させることも可能だ。

このシステムを生かしリアリティーの高い音の体験や同じ空間を共有しているような感覚も得られるとしている。