産業技術総合研究所人間拡張研究センターの金沢周介主任研究員は、印刷で作れるフレキシブル歪みセンサーを開発した。樹脂を工夫し、計測値が変動するドリフト現象を抑えた。市販の歪みセンサーに比べドリフトを10分の1にした。曲率を測り筋肉の伸縮などを数値化できる。手袋や膝サポーターなど、身に付けるウエアラブルセンサーとして提案していく。

カーボンブラックなどの導電性粒子を樹脂に混ぜ、生地に塗布して歪みセンサーを製作する。センサーが変形すると樹脂内で導電性粒子の密着具合が変化し、電気抵抗の変化として数値化できる。

歪みセンサーは市販されているが、曲げた後にセンサー内部で残留応力が徐々に緩和される、材料が〝なじむ〟現象が起きる。なじむのに数秒間かかるため、センサーを曲げてから数秒間抵抗値が下がるドリフトが発生していた。

今回、残留応力が散逸しやすい樹脂を開発した。ドリフトによる抵抗値変化を市販品に比べ91%削減した。センサーの曲げ半径を2センチメートルから10センチメートルまで試験しプラスマイナス5%以内の計測精度を達成した。

カーボンブラックなどの安価な材料を使って印刷工程で製造できる。医療用テープにセンサーを印刷して身体に貼る。定量的な評価が難しかった筋肉の張りや喉の動き、表情変化などを計りやすい。センサーグローブを作製し指の動き計測に成功した。

人間計測の他に、フィットネスゲームのコントローラーやIoT(モノのインターネット)センサーなどへ、安価に量産できる点を提案していく。