ゼネコン大手4社の2023年3月期連結業績予想は、3社が営業増益を見込む。22年3月期連結決算では、大型建築工事の採算悪化を受け工事損失引当金などを計上した。今期はこの反動に加え、受注済み工事の進捗(しんちょく)や公共工事の伸びを好材料と捉える。一方、鹿島は足元も続く建設資材の価格高騰や供給遅れを慎重に捉え、営業減益を予測する。

各社とも、建設事業の採算性を示す完成工事総利益率(単体)の改善を重視。業界として、発注者に契約価格や工期への適正な反映を求める方針を示す。それでも「建設資材はあらゆる部材で幅広く上昇しており、例えば半導体不足も設備機器の動向に響く。資材高や納期遅れのリスクは強い」(鹿島の内田顕取締役専務執行役員)と見る向きもある。

大林組は施工能力を考慮し、“適正値”として今期の建設受注高(単体)を前期比12・7%減に抑える計画。大型工事の採算悪化に陥った前期を踏まえた対応で「大型工事に偏らず、中規模やリニューアルもバランスよくやる。大事なのは利益の最大化だ」(小寺康雄取締役副社長執行役員)と言い切る。

清水建設の兵藤政和執行役員も「受注を抑え、採算重視の受注に軸足を移す」と明言。大成建設の桜井滋之副社長執行役員も足元の事業環境について「21年の前半に比べれば落ち着きを取り戻しており、受注時採算は好転している。ただ建設関係のコストは依然として厳しく、利益確保が重要」とした。