米国と中国の2大自動車市場で、部品調達難に伴う生産制約の影響の違いから、自動車メーカー各社の新車販売の回復に差が出ている。日系車メーカー4社合計の8月の米国新車販売台数は、前年同月比16・5%減の約32万台と、13カ月連続で減少した。一方、日系車メーカー6社合計の中国新車販売は、同18・0%増の約44万台と、3カ月連続で増加。乗用車向け減税措置などが販売を押し上げた。(西沢亮)

米国のメーカー別の新車販売は、ホンダが同37・7%減と13カ月連続のマイナス。30%を超える減少が5カ月連続で続いた。トヨタ自動車も同9・8%減と13カ月連続、マツダは同6・7%減と5カ月連続で減少した。

一方、SUBARU(スバル)は同1・5%増と、2カ月ぶりに増加。スポーツ多目的車(SUV)「クロストレック」が同30・5%増の約1万5000台とけん引した。

調査会社のマークラインズによると8月の米市場全体の新車販売台数(推計値を含む)は、同4・3%増の約115万台と、13カ月ぶりに増加に転じた。内訳はピックアップトラックなどの小型トラックが同6・7%増の約90万台、その他の乗用車は同3・5%減の約25万台だった。

米国の車メーカーではゼネラル・モーターズ(GM)が同39・4%増の約19万台、フォード・モーターが同27・3%増の約16万台、テスラが同50・3%増の約4万台だった。

中国のメーカー別の新車販売は、トヨタが同30・0%増と3カ月連続でプラスとなった。中央や地方政府による経済対策を追い風に、「集客イベントや店頭活動が奏功した」(同社)。ホンダも同48・9%増と大幅に増加し、3カ月連続で2ケタ増となった。

一方、日産自動車は同12・0%減と、2カ月ぶりに減少したものの、同社幹部は「乗用車事業の8月の販売実績が前月比で改善していることを心強く感じている」とした。マツダは同36・3%減、スバルは同22・3%減と、共に17カ月連続のマイナス。三菱自動車は同62・7%減と、6カ月連続で減少した。

中国汽車工業協会によると、8月の中国市場全体の新車販売は同32・1%増の約238万台と、3カ月連続で増加した。うち乗用車は同36・5%増の約213万台。商用車は同4・0%増の約26万台だった。電気自動車(EV)は同92・9%増の約52万台だった。

野村証券の桾本将隆アナリストらは5日付のリポートで、米国市場について「生産状況は8月も改善が続き、9月の販売は前年同月比で大幅な改善を見込む」とした。また、ある日系車メーカー幹部は「米国市場は生産制約よりも、インフレに伴う景気減速による販売への影響の方が大きくなるとの声もある」と指摘。「潮目の変化に敏感にならないといけない」と警戒する。