世界的なインフレで資材価格が高騰する中、工事保険に物価上昇リスクを補償する特約を付ける工事業者が増えている。東京海上日動火災保険の場合で工事保険に物価上昇対策の特約を付けた割合(付帯率)は8月に約80%と、2021年の60%台から大幅に上昇した。三井住友海上火災保険でも21年の70%台から22年は80%台に付帯率が上昇。資材高という昨今の時流に沿った補償として、今後も注目されそうだ。

物価上昇対策の特約は建設現場で事故が発生した際、復旧にかかる工事費の価格上昇リスクを補償するもの。工事保険の場合、工事の請け負い時点の工事費に基づき保険金を支払うが、近年の資材高で事故発生時の資材価格が割高となり、保険金で復旧費をまかなえないケースが増えている。特約に入ると、請負時点の工事費より最大3割、価格上昇分を保険でカバーできる。

東京海上では、工事保険の見積書作成時にこの特約が付いていない場合、業務用パソコン画面に注意喚起を出す仕組みを10月下旬にも導入する予定。一段と特約の付帯率を引き上げたい考えだ。

三井住友海上火災保険も工事業者の物価上昇対策を後押しするため、積極的な声がけなどで付帯漏れを防いでいく見通しだ。