2022年のノーベル生理学医学賞を受賞する独マックス・プランク進化人類学研究所のスバンテ・ペーボ所長が4日、客員教授も務める沖縄科学技術大学院大学(OIST)主催のオンライン会見に出席し、「基礎研究への長期的なサポートが今回の成果に結びついた」と喜びを語った。

ペーボ所長はOISTで古代人と現代人のデオキシリボ核酸(DNA)を比較する研究を進めている。これまでに古代人の遺伝子がコロナウイルスやエイズウイルス(HIV)への感染しやすさなどに影響していることが分かっている。

こうした当初は何の役に立つか不透明な基礎研究を、社会がどう支えるか世界的に課題になっている。ペーボ所長は「我々の研究は大きな予算は要らないため、ボトムアップで国際共同研究を進めるのが適切だろう。期待できる研究者を見いだし、長期的にサポートすることが大切だ」と語った。

古代人の試料は世界中に散らばっていることから発展途上国の研究者とも連携。「相手国の研究者との連携が大切。人材を研修し、技術移転し、研究を支えるインフラを構築を手伝うことが重要だ」(ペーボ所長)と指摘する。

絶滅したデニソワ人はロシアのデニソワ洞窟から見つかったことからウクライナ危機にも触れ、「これまでロシアの研究者とは実りの多い連携ができていたが、ウクライナ危機後は協力できていない。現在の悲劇的な状況が早く解決されることを願っている」と述べた。