キリンビールは11月のビール類(ビール、発泡酒、第三のビール)の生産を前年同月比1割減産する。アサヒビールもビール類の販売計画で、11月は同2割以上の減少を見込む。10月の値上げによる買い控えが続いていることに加え、新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあることからビール類市場は縮小。12月もこの傾向が続くとみられる。

ビール大手は10月にビール類や缶チューハイ、ワインなどを2―17%値上げし、9月は駆け込み需要でビール類の販売数量が同50%増と大幅に伸び、10月は反動減で同32%減となった。11月も買い控えの影響が続くとみられるが、12月は宴会シーズンでもあり回復の期待が高かった。だが、ここにきて新型コロナウイルスの感染者が増加傾向となり、再び不透明な状況となっている。

こうした中、キリンビールは11月に主力のビール「一番搾り」などで、業務用の瓶、たる商品、家庭用の缶商品ともに前年同月比で1割の減産を計画。アサヒビールも主力のビール「スーパードライ」を中心に販売数量で2割以上の減少を見込む。

ビール市場は10、11月は値上げという特殊要因で縮小したものの、22年は1―10月までの累計で前年同期比20%増と、21年10月の酒税改正以降、堅調に推移してきた。各社の累計でも、キリンは一番搾りをはじめとしたビールが1―10月で同7・3%増、アサヒもスーパードライは同19%増と好調だった。ビール市場は値上げの買い控えが落ち着けば、地合いが戻るとみられていたが、ここに来て再び難しいかじ取りを強いられている。