日本製紙はセルロースナノファイバー(CNF)を同じ木材成分由来である天然ゴムに均一に分散し、強度とエネルギーロス抑制を両立したゴムシート「セレンピア エラス」を開発した。化石燃料由来のカーボンブラック(炭素微粒子)よりも少量で同等の強度を実現し、エネルギーロスは約2割削減できるという。サンプル提供を始め2年以内の本採用を目指す。

自動車タイヤや伝導用ベルト向けなどの天然ゴムは、伸びや耐摩耗性に優れる。強度を高めるため化石燃料由来のカーボンブラックを約60%配合しているが、二酸化炭素(CO2)排出削減機運が高まり、日本製紙は代替材としてCNFを配合したゴムシートを開発した。

同シートは天然ゴム100%に対し、細長い木質繊維が特徴のTEMPO酸化CNFを5―20%添加。従来のカーボンブラック混合ゴムと同等の弾性率(強度)を保ちながら、エネルギーロスを約20%抑制できる。

同社はこれまでにTEMPO酸化型CNFを配合したタイヤ用ゴムを住友ゴム工業、三菱ケミカルと共同開発し、住友ゴムが高性能タイヤに採用している。今回のシートはその発展形で、各種ゴムと直接、ドライ混練でき製品の物性を容易に向上させられるという。

日本製紙富士革新素材研究所の野々村文就所長は「脱炭素化への寄与をはじめ、カーボンブラックからの代替により黒1色だったタイヤの色を白系にするなど可能性が広がるのでは」とみている。

天然ゴムとCNFの複合材は王子ホールディングス(HD)が強度と伸びを両立させたサンプルを開発しており、製紙他社の取り組みは加速しそうだ。