乗用車メーカー8社が発表した2月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比2・8%増の206万6283台だった。4カ月ぶりにプラスに転じた。ただ、前年に半導体不足や新型コロナウイルス感染拡大などで減産した反動による影響が大きく、先行き不透感は残ったままだ。

メーカー別の世界生産台数は、日産自動車が前年同月比9・2%増の30万734台で、5カ月ぶりにプラスとなった。国内でスポーツ多目的車(SUV)「エクストレイル」を増産したことが寄与した。マツダも主力の小型車「マツダ3」、SUV「CX―30」の生産台数が伸びたことで、同20・3%増となった。

SUBARU(スバル)も前年同月を20%以上超える伸びだった。ただ「生産調整の影響が前年同月より小さかったため」とし、「半導体使用部品の需給逼迫(ひっぱく)は継続している」状況だ。

トヨタ自動車も前年同月を超えたものの、「前年に新型コロナ感染拡大や半導体需給の逼迫を受けて、減少した反動」とみており、依然として半導体不足が生産の足かせになっている。引き続き「先行きを見通すことは困難だが、部品供給の状況を精査する」ことで影響を小さくしたい考えだ。前年同月を超えるのは2カ月連続となる。

足元では半導体不足によって受注を停止する車種があり、今後も半導体不足が影を落としそうだ。


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