JR東日本など4社は、8日から交通系ICカード「スイカ=写真」「パスモ」のうち無記名カードの発売を一時中止する。世界的な半導体不足を受け、カード製造業者で必要なICチップの入手が困難になっているため。記名カードや定期乗車券、訪日外国人旅行者向け乗車券の販売、紛失時などの再発行は継続する。2024年春の販売再開を目指す。

鉄道・バス事業者が出資するPASMO協議会(東京都新宿区)、東京モノレール(同港区)、東京臨海高速鉄道(同江東区)と共同で実施し、「モノレールスイカ」、「りんかいスイカ」も対象となる。スイカサービスの提供を始めたばかりの青森、盛岡、秋田エリアのみ無記名カードの販売を継続する。

JR東によると、足元で訪日外国人旅行者や週末の短距離移動が回復傾向にある。こうした状況を受け1月頃からカード需要が高まっていた。無記名カードは定期利用や記名式に比べ、短期利用の場合や使用頻度が少ない場合が多いという。


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