鹿島は製造時に二酸化炭素(CO2)を吸収するコンクリートを使い、大型プレキャストコンクリート(PCa)製品を開発した。従来品に比べてコンクリート1立方メートル当たりのCO2吸収・固定量が少ないタイプで、今後、大型PCa製品を実際の工事に導入する計画。複数のPCa製品メーカーとの連携によって新製品開発にも取り組み、CO2吸収コンクリートの市場拡大と普及促進を図る。

同社は製造時にCO2を吸収し、固めることでCO2排出量をゼロ以下にするカーボンネガティブコンクリート「CO2―SUICOM」の普及を進めている。従来の「CO2―SUICOM(P)」は1立方メートル当たりのCO2吸収・固定量が100キログラム以上で、建築や土木工事への導入ニーズが高まっている。

ただ部材の断面が大きくなるとCO2の吸収・固定に時間を要し、製造できる数量が減少するほか、コスト上昇につながる。このため、従来製品は小型のブロック状のものに限られていた。新開発の「CO2―SUICOM(E)」は同100キログラム未満で、幅2×高さ1×厚さ0・35メートルの大型ブロック擁壁に適用。その製造工程と完成品の品質を検証し、量産可能なことを確認した。