曙ブレーキ工業はアフターマーケット用のミニバン向け高性能ディスクブレーキパッドを発売した。新たな材質を開発し、ブレーキ効き性能が同社スタンダード製品比で約30%向上した。トヨタ自動車の高級ミニバン「アルファード」と「ヴェルファイア」向けから販売し9月以降、他のミニバン6車種向けにも対応を拡大する。消費税抜きの価格はフロント用が2万2000円、リア用が1万2500円から。目標販売数は設定せず、まずは認知度浸透を図る。

発売したのは「アケボノプレミアムコンフォート(APC)」。大人数が乗る場合や荷物を多く積み走行する場面で、制動力と快適性の両立を高いレベルで求めるユーザーの使用を想定。「ブレーキ鳴き」への耐性や低ダスト性能も向上させ、付加価値を高めた。グループ会社の曙ブレーキ山形製造(山形県寒河江市)で量産する。

APCはブレーキ効き性能の向上に加え、減速時に車両が前下がりになる挙動変化(ノーズダイブ)など不快な挙動を抑制。快適な乗り心地に寄与する。ハイヤーやタクシーなど快適性を求められる車両に向く。

整備工場や部品商を通じた市場調査で、ミニバンユーザーの多くがブレーキの効き不足を感じているという情報を得てAPCを開発した。軽自動車向けの高性能ブレーキパッドも発売済みで、販売が好調という。


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