東京大学の宮道彩乃大学院生と趙漠居講師、岡田慧教授らは、飛行時に安全に腕をつかんで留まることが可能な飛行ロボット(ドローン)を開発した。柔らかく曲がる4本のアームで腕や頭など人体にしがみつく。接触部にセンサーを搭載すれば脈拍などのバイタル(生体)情報を取得でき、回転翼で方向を提示することも可能になる。被災者の捜索や健康状態の確認、避難誘導など災害用途を想定する。

4本のアームで腕に優しくしがみつくドローン

4本のアームに回転翼を備えたドローンを開発した。回転翼の推力で浮き上がるとアームはまっすぐ硬くなり、推力が止まるとアームはエビの尾のように柔らかく曲がる。アームの内側や関節に空気圧で膨らむプラスチックバッグを組み入れており、人体を柔らかくつかめるようにした。

ドローンは人を画像認識して近づき、人が腕を差し出すと回転翼を止めてしがみつく。しがみついた状態で腕を振っても、17・8メートル毎秒毎秒の加速度まで振り落とされなかった。ドローンが腕から飛び立てることも確認した。

飛行中に衝撃で姿勢を崩しても自動で復帰する。実験では機体を小突いて落下させると落下の力でアームが広がり、回転翼が4枚とも上を向いて飛行に復帰した。機構で自動復帰機能を実現できたため、飛行中の安定性が増した。

災害時の利用を見込む。倒れている人に取り付いて脈拍などを測定し健康状態を確認したり、腕に取り付いたまま回転翼で避難する方向を示して道案内をしたりする使い方を見込む。

ドローンのしがみつき機能は電柱などの構造物に取り付いて電池を節約する目的で開発されてきた。人体に安全に留まれると、電池切れの前に人につかまって充電を頼むなど、人とドローンが協力する社会につながる。