りそなホールディングス(HD)はグループ外企業への出向や派遣といった外部経験を経営職階層に就くための要件に加える方針を固めた。ゼネラリスト志向の画一的な人事戦略を改め、多様な経験や高いスキル・専門性を持つ人材を育成する。組織風土を変革し、新規ビジネスの創出やサービスの質の向上につなげる。

りそなHD傘下のりそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、みなと銀行の4行で、2030年度にも外部経験をグループリーダー以上の経営職階層に昇進する要件とする。中途入社も外部経験者に含める。まずは学習機会の拡充や受け入れ先を確保する。

22年度時点の経営職階層は約3100人。約4割が外部経験を持つ。この1年で新たに経営職階層に就いた人数は約300人に上る。幹部層に昇進するための要件に外部経験を設けるのは珍しい。

一方、25年度までの3カ年中期経営計画期間中に、傘下の4行で専門人材を前3カ年比約4倍となる合計1300人程度採用する。デジタル変革(DX)やデータサイエンス、アセットマネジメント、アクチュアリー、不動産などを想定。中途と新卒専門コースで幅広く採用し、計画通りに進むと専門人材が採用全体の約4割を占める見通しだ。

りそなHDは高い専門性を持つ人材を確保することで、コンサルティング機能の強化や規制緩和に伴って拡大するデジタル、データビジネスの収益化を急ぎたい考え。新たなビジネスや商品・サービスが生まれやすい環境の整備も目指す。


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