長崎市のスポーツ施設の再配置に関する再検討部会が開かれ、市民総合プールと陸上競技場の移転先の候補地が示されました。

陸上や水泳の競技団体などの委員たちは、それぞれの立場で意見を交わしました。

高規格道路の建設に伴い、再配置が必要となっている長崎市松山町のスポーツ施設。

去年7月から、大学教授や陸上、水泳の競技団体などでつくる「再検討部会」で協議が進められています。

28日の会議では、市側が「市民総合プール」と「陸上競技場」の移転先として、6つの案を示しました。

このうち水泳の関係団体や観光、交通関連の委員が評価したのは、現在の陸上競技場の場所にプールを移転させ、道路の高架下に陸上の300mトラックを新たに整備する案。

移転費用は約4億円で、プールの隣に広場も整備できますが、陸上のトラックは現在の400mより縮小されます。

委員からは安全性に関する指摘も出ました。

(長崎市陸上競技協会 山川 貴広理事)

「(フィールドの)真ん中に、支柱などの構造物があると、練習する際に視界をさえぎるものが出てくるので、非常に危ない」

陸上競技協会などは、市民総合プールを茂里町の中部下水処理場跡地に移転させ、陸上競技場を現地に存続させる案を評価。

現在の練習環境を保てますが、プールの移転費用が27億円と高額になります。

周辺への交通渋滞を懸念する声も挙がりました。

(長崎商工会議所 川添 暢也 常議員)

「(下水処理場周辺は)、スタジアムシティとココウォークという集客施設が2つある。この間に、これ以上の渋滞を巻き起こす施設を持ってくるのは、全面的に反対」

このほか、陸上競技場を中部下水処理場に移転させる案や、柿泊町の市総合運動公園に陸上競技場の機能を統合させる案も示されました。

28日に挙がった意見を踏まえて、再検討部会の上位機関である「平和公園再整備基本計画検討委員会」を来月以降開催し、改めて議論するということです。