インスタグラムのDM上での暴言が大炎上し、’20年7月、芸能界を引退した“ユッキーナ”こと木下優樹菜。その後は“一般人”として2人の娘を育てるシングルマザーの日々を送っているが、YouTubeやインスタグラムを更新すれば即座にネットニュースとなり、Jリーガーとの熱愛や写真集の発売など、今も芸能人顔負けの活動を繰り広げている。果たして“最強の一般人”木下優樹菜とは何者なのか? 3年間の思いとともに語り下ろした。

◆芸能人“ユッキーナ”は、もういなくなりました

──これまでを振り返るにあたり、まず伺いたいのが3月に発売した写真集のこと。「禊のヌードで芸能界復帰か?」と憶測を呼びました。

木下:それ、まったく考えてないです! たまたまオファーをいただいたので、やれることならやってみようとお引き受けしました。ヌードで許してもらおうとか、そんなことではまったくなくて、これまで出してきた写真集と同じ感覚。たしかに「写真集」を出すなんて、一般人じゃないと言われたりもしますけど、テレビのバラエティに出なくなった時点で、自分としては「もう芸能人じゃない」と思ってるので。

──“一般人”となった今、生活はどのように変化しましたか?

木下:言い方が難しいんですけど、謹慎していたとき、娘が「ママがずっと家にいる!」って喜んでくれたんです。お弁当もちゃんと時間をかけて作れるようになったし、一緒に過ごせる時間も増えた。振り返れば、19歳でデビューしてからずっと走り続けて、長女を出産したときも産後1か月で復帰してテレビに出たりしていたので、芸能界を引退して、ようやく初めて子どもとしっかり向き合えたのかもしれません。

◆“みんなのユッキーナ”であり続けたかった

──ギャルイメージが強い木下さんですが、育児や家事は?

木下:私、芸能界にいたときからベビーシッターや家事代行って頼んだことなくて、基本的に家のことは全部自分でやってたんです。芸能人夫婦だし、お金で解決すればよかったけど、なんか「“みんなの好きなユッキーナ”は、そんなことしない!」って思っていて。もともと自然体のまま、元ヤン、ギャル、おバカという親近感のあるキャラだったから、そこは変えたくなかった。ただ、頑張りすぎて、一時は産後うつっぽくなったり、ホントはもっと周りに頼ればよかったとも思います。

──元ヤン、ギャルというタレントイメージだからこそ、「ちゃんと育児、家事できてるのか?」という偏見は今もあるように思います。元夫であるFUJIWARAの藤本さんが振り回されて、世話を焼いているような印象を勝手に抱いていました。

木下:当時から「優樹菜は優樹菜だし、ママになったからって、この口の利き方は直すつもりねーし!」と宣言したり、「ママだってミニスカートはいていいじゃん!」と言って軽く炎上したりしてたので、自業自得の部分はあると思います。でも、「おバカタレントのユッキーナも大人になって、『チョリーッス!』も言わなくなったなぁ」なんてイジられていたとき、それも違うなって思ってた。

たしかに「元ヤンのギャルが、結婚・出産を機に大人の階段を上っていく」ってストーリーはウケがいいのかもしれないけど、別に私は自然体のままだし、なんで他人が描いたストーリーに合わせなきゃいけないんだろうって。結婚だって年の差婚で、「よくぞ結婚した!」みたいに言われたけど、私の中では普通に自分で決めたことだから「よくぞ」も何もなくて、逆に「どういうこと?」って違和感はありました。

◆「この人たちは、何を知っているんだろう?」って

──本人そのものより、世間のよしとするイメージで見られてしまうのが、芸能人の宿命かもしれません。

木下:でも、私は昔から言いたいことはそのまま言ってたし、逆に思ってもないことを言うのは無理。そこが“みんなのユッキーナ”として親しんでもらえた理由だとも思ってました。ただ、そういうスタンスで、3年前に自分の軽率な考えをすごく悪い表現、間違った言葉で、送りつけてしまった。それは絶対にいけないことだし、とても反省しています。

──実の姉のトラブルということで、感情的になったとしても、あまりにも乱暴すぎました。一方、木下さんが芸能界を引退し、昨年10月にいわゆる“タピオカ騒動”の判決が出てからも、木下さんへの人格否定のようなコメントは根強くあります。いまだに誹謗中傷はありますか?

木下:めっちゃあります。「見ないほうがいいよ」と言われるけど、やっぱり見ちゃうし、聞いちゃう。個人的に、無視するとかできないタチなのもあるけれど。最近だと、娘と彼(恋人のJリーガー・三幸秀稔氏)と一緒にバーベキューに行ったYouTubeに、「子どもがかわいそう」とか。実際は娘のほうが彼と仲良くて、私がやきもちを焼くくらいなのに、「この人たちは、何を知っているんだろう?」って。

◆叩くことで共感する人々。「最後には人、殺せるよ」

木下:正直、こんな私でも「消えちゃおうかな……」と思う瞬間もあるんです。普段、家族や友人といるときは大丈夫でも、夜中にふと「お前が生きていると、いろんな人に迷惑がかかる。お前は存在すべきじゃない」ってコメントを見たり、思い出して、「ああ、そうだよね。私なんて、いないほうがいいよね」って、心が持っていかれそうになることもあります。そういうとき、娘たちの寝顔を見て「生きないと!」って踏みとどまれたけど、心がポキッて折れちゃうのも、リアルに想像がついてしまう。

──“炎上狙い”の記事も、いまだに少なくありません。

木下:すごくチェックしてくれてますよね。叩けるなら、なんでもいいって感じの記事もあって、破局報道とか100%事実無根でびっくりします。今は一回でも「叩いていいヤツ」って認定されたら、メディアは繰り返し報道するし、それを見た人も「コイツはいくらでも叩いていい」ってなる。

それで、記事が狙い通り炎上して、私を叩くコメント、これまで何度も見たようなコメントに「いいね」をみんなでつけ合って……それはもう、私という人間とはほとんど関係ない、ただのストレス解消だったり、承認欲求を満たし合うだけの行為に見えてしまう。だから、こんなこと言えた立場じゃないかもしれないし、また炎上するのかもしれないけど、「頼むから、別のところでやって!」って思います。やってるほうは遊びかもしれないけど、最後はマジ、人を殺せるから。

◆叩かれて“おいしい”なんてことない

──炎上で数字を稼ごうとするメディアと「正しさ」で叩きのめす人たち。写真集のタイトル「CORRECT(正解)」は意味深長ですね。

木下:この2〜3年で「正解って何だろう? 正しさって何だろう?」と、すごく考えました。もちろん自分の反省すべきところから始めて、自分なりに向き合ってきたつもりです。でも、一部のコメントには「これって自分の思う“正解”を投げつけているだけじゃない?」と思うこともありました。ただ、私がそれを口にすれば「言い訳」と叩かれる。写真集も「露出が足りない」という声があって、期待外れに感じた人もいたみたい。でも、「やらかしたヤツなんだから、全部見せろ!」というのは、“正しさ”なの? 私は30代の今できることをやったつもりだし、もしここで全部脱いだら脱いだで、「母親なのに」って叩く人もいるでしょ。

──「有名税だ」「叩かれているうちが花」という意見もあります。

木下:本当にそう思っているなら、これだけは言わせてほしい。叩かれて“おいしい”なんてことないから!

──現在、木下さんは会社を立ち上げて、新しい恋人もいます。子どもが小さいうちはシングルマザーの恋愛のハードルは高いといわれますが、同じような境遇の人からは、どういう声が届いていますか?

木下:賛否両論です。「ユッキーナを見て、私も頑張ろうって思えた」と応援してくれる人もいれば、「チャラチャラして」と叩く人もいます。でも、それが普通だし、それでいい。ただ、私は「ママだって自分を磨いてもいい。もし支え合える恋人が欲しかったら、諦めないで一緒に頑張ろう!」というメッセージは送り続けたいと思っています。

◆今の私の肩書は「木下優樹菜」

──恋人である三幸さんとお子さんの関係も良好に見えます。

木下:彼には真っ先に「絶対に子どもを優先する」と言いました。あと、「木下優樹菜と付き合うって、どういうことかわかってる?」とも(苦笑)。子どもの虐待とか辛いニュースも多いし、私と付き合うリスクは私自身が一番わかってるし、やっぱりそこはめちゃくちゃ慎重になりました。特に、子どもとの関係はバイブスが超大事だと思っていて、そこが合わなかったら恋愛も諦めようと覚悟していた。

まずテレビ電話から始めて、徐々に距離を縮めて、周りの人にも意見を聞いて。その結果、さっきも言ったように、今では私より娘のほうが彼と仲が良いくらい。私が学校に迎えにいくと、真っ先に「今日は、みゆたんは来ないの?」って聞かれます。もう娘と彼に感謝しかないです。

──ゆくゆくは結婚も視野に?

木下:今は結婚とか、家族の形にこだわっていないです。「ずっと一緒にいられたらいいね」って話していて、彼も賛成してくれているので。

──では、最後にもう一度だけ聞かせてください。木下優樹菜は、本当に“一般人”になったのですか?

木下:彼に覚悟させてる時点で、客観的には一般人でないのかもしれません……。でも、芸能事務所に所属したり、バラエティに出たりすることは、もうない。思ったことをストレートに言う私のキャラは、今は通用しないと思います。テレビに出ていた頃の“みんなのユッキーナ”には戻れない。それに芸能人って、なかなか辛い。娘の写真を勝手に撮られたので、「子どもはよしなよ」って言ったら、態度が悪いって炎上したり。

だから、あえて言うなら、今の私の肩書は「木下優樹菜」。こんな私でもやれることがあるなら、そこに全力で応えていきたい。世間から抹殺したかった木下優樹菜がしぶとく生き残ってるって、ムカつく人もいるだろうけれど、それも含めて、最終的には私の人生だから。最近、娘が「ママ、めっちゃ楽しそうだし、ママが笑ってるとハッピーだよね」と言ってくれたことが私のすべて。今はホント、そんな感じっす!

【Yukina Kinoshita】
’87年、東京都出身。『クイズ!ヘキサゴンⅡ』(フジテレビ)などのバラエティや女性ファッション誌で活躍し、’10年にFUJIWARA・藤本敏史と結婚。2女をもうけるが、’19年に離婚。現在は自身の会社を立ち上げ、スキンケア商品などのプロデュースも行っている

撮影/E-WAX(MATT.) 取材・文/アケミン 構成/宮下浩純 スタイリング/森本裕治 ヘアメイク/COBA  衣装協力/MOUSSY LAGUA GEM EVRIS

※5/10発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』より

―[インタビュー連載『エッジな人々』]―